中国政府はきのう、およそ1万人が参加する合同結婚式を開催しました。その狙いとは何だったのでしょうか?
記者
「間もなく合同結婚式が始まるということで、中国式の結婚式の衣装を着たカップルが続々と会場へと向かっていきます」
中国各地で22日、一斉に行われた合同結婚式には、あわせて5000組およそ1万人が参加しました。
これほど大規模なイベントが開かれるのは異例のことです。主催しているのは中国政府と女性団体ですが、その狙いについて司会者は…
司会者
「高額な結納金という悪い習慣を捨て、誠意と真の愛で結婚を迎え、シンプルながらも温かさを失わない方法で愛を祝うために努力しましょう」
いま、中国では経済発展と共に新郎側が新婦側に渡す結納金が高騰しています。相場を聞いてみると…
結婚した子どもを持つ親
「10万元(約200万円)から20万元(約400万円)ですね。昔とは大違いだね。私たちは1円も払わなかった。どんどん高くなってますね」
結納金など結婚にともなう「負担」の増加は、結婚をためらう要因のひとつになっているといわれており、実際、中国の婚姻数は10年で半分近くにまで減少、少子化の原因にもなっています。
そのため、中国政府は、▼結婚にかかる費用の引き下げを推奨したり、▼婚姻に関する手続きを簡単にすることで歯止めをかけようとしているのです。
ただ、こうした政府の取り組みに若者たちは冷ややかです。
北京市民の男性
「合同結婚式は人々を結婚させるための一種のプロパガンダでしょ」
さらに中国では結婚するにあたり、男性は家を持っていることを求められるケースが多く、これがまた結婚のハードルを上げています。
北京市民の男性
「(Q.結婚したいですか?)いいえ。(Q.なぜですか?)お金が無いから。マンションは絶対に持っていなきゃいけないとか、果たすべき責任が多いです」
さらにこんな声も…
北京市民の女性
「(Q.結婚したいですか?)いいえ。質の高い男性が少なすぎます」
北京市民の男性
「(Q.結婚したいですか?)結婚したくないです。結婚は面倒くさすぎる」
北京市民の女性
「出会うのも面倒だし、相手と親しくなるのも面倒です」
若者の結婚意欲の低下には、価値観の多様化も影響していて、中国政府による“結婚の簡素化”の取り組みがどこまで婚姻数の増加につながるのか効果は不透明です。
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