41年ぶりの高卒新卒採用

この春、3人の若者が仲間入りしました。周南市出身の中川大地さんと、神奈川県出身の岡本考弘さん、そして、静岡県出身の小酒井優弥さん。休み時間は、センターの「ねこ職員」と遊びます。

小酒井さんと中川さんは高校を卒業したばかり。岡本さんは大学を卒業したばかりです。実は、センターに高校を卒業したばかりの新卒者が入るのは、創設以来41年ぶり。念願の新入職員です。

中学時代の体験から漁業の道に

養殖部門を担当している中川さん。中学生の時に職場体験でセンターを訪れ、「ここで働きたい!」と漁業の道を志しました。

下松市栽培漁業センター・中川大地さん
「やっぱり1番は、下松市内、山口県内越えて全国にここのヒラメを広めたいんですけど、そのために自分らが積極的にいろいろ改善していって、みなさんに食べてもらえるようにしたいですね」

今では、過去の自分のような子どもたちに、ヒラメについて説明する役も担っています。

種苗生産は少数精鋭で


小酒井さんと岡本さんは、魚を卵から育てる種苗生産を担当しています。

下松市栽培漁業センター・岡本考弘さん
「種苗生産は中間育成にもつながる最初の最初なので、結構やりがいはありますし、やっぱ自分の手で育ててきたのが、だんだん大きくなるのが目に見えて分かるので、それは結構楽しく続けられるのかなと思いますね」

魚はたくさんの卵を産みますが、自然の海ではエサ不足や敵に襲われるなどして多くが死んでしまい、大きくなれるのはごく一部です。
そこで下松市栽培漁業センターでは、人間の手で卵から稚魚まで育てる種苗生産を行っています。大切に育てられた種苗つまり稚魚は、自分でエサをとったり、外敵から身を守ったりできるよう、ある程度の大きさまで育てられ、海に放流されます。

センターの職員は10人。そのうち、種苗生産を担当しているのは、新入職員の2人を含めた3人です。この春入ったばかりの小酒井さんも、シルバー人材センターの人手を借りながら、1トン以上あるという培養水を入れ替え、卵のエサとなるワムシを育てる作業を行います。一見地味でも、かなり体力を使う仕事。毎朝、2時間ほどかけて行っているそうです。

小酒井さん
「自分の1つのミスとかで稚魚が多く死んでしまったりとか、大事なことにつながってしまうので、地味な作業ですけど、そこは自分ができる最大の役目なので」