8月の大雨で甚大な被害を受けた鰺ヶ沢町。2021年オープンしたばかりのラーメン店も被災し、休業を余儀なくされていました。5日、復旧作業を終えて1か月ぶりに営業を再開。復興に向けて、新たな一歩を踏み出しました。

厨房には、久しぶりに調理の音が響いていました。9月5日、1か月ぶりにオープンの日を迎えた鯵ヶ沢町のラーメン店「會津めん 浜さき」です。店主の土屋智則さんは、朝7時過ぎから仕込み作業を続けていました。

※會津めん浜さき 土屋智則さん
「とてもうれしいです。待っていただいているお客さんがいるのはありがたい」

8月9日に降った大雨で鯵ヶ沢町は中心街が冠水し、多くの住宅や商業施設が被害を
受けました。土屋さんは当時、店の入口に土のうを積んで店内の浸水を防ごうとしましたが、少なくとも80センチ以上の水が流れ込みました。

※會津めん浜さき 土屋智則さん
「想像以上に水の勢いがすごくて間に合わなかった。どこまで水が上がってくるかわからない状態で、命の危機を感じ避難した」

水が上がったあとはテーブルやイスが散乱し、床には泥が溜まっていました。店がオープンしたのは2021年12月、わずか8か月で店内の設備のほとんどを買い替えることになり、臨時休業を余儀なくされました。

※會津めん浜さき 土屋智則さん
「まだまだ負けてられない。うちも従業員いますし、たくさんのお客さんに支えていただいていますのでそのために1日でも早い復旧をできるように努力してきた」

約1か月かけて店内を修繕、さらに開業から継ぎ足してきたスープもいちから作り直し、5日営業を再開しました。

※會津めん浜さき 土屋智則さん
「今から復活オープンします。がんばります。よろしくお願いします。」

開店から間もなく、この日を待ちわびた常連客が訪れていました。

※訪れた客
「久しぶりに食べておいしかったです。元通りにならなくてまだお店がオープンできていないところもたくさんあるので、前の鯵ヶ沢に元に戻ってほしいですね。」

復旧には、オープンの時とほぼ同じ費用がかかり、厳しい経営状況が続きますが、それでも土屋さんは、町の復興につながるよう前を向いて進んでいきたいと話しています。

※會津めん浜さき 土屋智則さん
「またゼロからのマイナスからの開店準備ということですごく毎日不安な日々でした。励ましの言葉もいただいたので、これからもお客様に愛される店を提供できるように頑張っていきたい。」

町に甚大な被害をもたらした大雨から1か月、日常を取り戻す動きが着実に進んでいます。