深紅の枠旗(わくばた)が秋空の下を乱舞する国の重要無形民俗文化財、お熊甲祭(おくまかぶとまつり)が七尾市で21日開かれるのを前に、中島町の若者たちが災害ボランティアとともに準備にあたっています。

秋の能登路を彩るお熊甲祭は、高さ20メートル近くの枠旗を担いで町内を練り歩く、七尾市中島町の久麻加夫都阿良加志比古(くまかぶとあらかしひこ)神社の奇祭です。

20日は、朝から地元の壮年団員のほかボランティアおよそ80人が準備に加わり、枠旗を組み立てる「旗起し(はたおこし)」が行なわれました。

青空に映える鮮やかな枠旗がそそり立ちました。

小牧壮年団・橋本登志男さん「自分らの地区が参加するっていうのは、もう震災の当日から言ってたくらいのことで、天気が心配だが、何とか持ってくれるんではないかと思っている」

中には、2007年の地震で中島町を訪れて以来、祭りに魅了され毎年参加しているボランティアの人もいます。

ボランティア・頼政良太さん「祭りにかける思いも皆さん強いので、そういったものを体感するとなかなか病みつきになるというか」

ボランティア・吉椿雅道さん「今年は地震があって、まさかこの小牧も被災をしたので、たぶん最後みんな号泣するんじゃないかと思ってて、本当に。だから普段とはまたちょっと違う祭りになると思う」

天候に問題がなければ、21日午後1時、各集落の枠旗や神輿は神社に集まり、祭りの最大の見どころ、地上すれすれまで傾ける妙技「島田くずし」が披露されます。