なぜ繰り返される 防衛大の“いじめ”

防衛大では、過去にも「上級生による指導」と称した深刻ないじめが起きています。

2013年に入校した男性が、上級生らに体毛を燃やされたり、殴られたりしたなどとして訴えを起こしました。

この裁判では、上級生ら7人に賠償が命じられた他、実態を把握せず、適切な指導をしなかったなどと、防衛大側の責任も認められました。

自衛隊の実態に詳しい弁護士は、防衛大特有の上下関係が背景にあると話します。

自衛隊の人権問題に詳しい 佐藤博文弁護士
「学生の中にも、現場の自衛隊の組織と同じように、隊長・副隊長からヒエラルキーが完全にできている」

今回、JNNは防衛大の学生に対する過去10年間の懲戒処分の内訳を情報公開請求し、独自に集計しました。

内容は「パワハラ」や「私的制裁」など多岐にわたります。

全体の傾向として、4年生が処分されるケースが明らかに多いことがわかりました。中には、全体の60%近くが4年生だった年もありました。

佐藤弁護士は、立場の強い4年生が問題を起こしやすい実態がわかると指摘します。

自衛隊の人権問題に詳しい 佐藤博文弁護士
「教官とか学校も、そこにメスを入れない。ポツポツ出てくる様々な事案に、とにかく個別的に対応してるだけ。根本にある仕組みについてメスを入れない」