黒塗りの“指導記録”「異常としか言えない」
防衛大を退校した男性の母親は、入校してから間もない頃に息子からもらった手紙を今でも大切に保管しています。

入校直後に書かれた手紙
「やはり家での食事や洗濯のありがたみをひしひしと感じます」
「洗濯は何年前のものかわからない古い洗濯機を使っているので、本当に綺麗になっているかわかりません」

元防衛大生の母親
「『この子らしいな』と思った。こういう手紙を読み返すと、すごく残念だという気持ちが込み上げてくる。せっかく楽しんで行けていたのに、なんで潰されないといけなかったのか」
退校後、男性は防衛大側が上級生たちにどう対応したのか知るための手がかりになればと、自分への指導記録を開示請求しました。

しかし、そのほとんどが黒塗りでした。
自衛隊の人権問題に詳しい 佐藤博文弁護士
「異常としか言いようがない。本人に関わることなどは、本人が『明らかにしてくれ』と言っているのだから、秘密にする理由は全くない」
防衛大は取材に対し…

防衛大
「学生の懲戒処分については原則として公表しておりません」

このため、JNNに開示された資料を分析したところ、映像が撮影された2023年11月29日に暴言などを行ったとして、4年生6人が停学1日や戒告の処分をされていました。
この6人が罵声を浴びせるなどしていた加害者とみられます。

元防衛大生
「あの環境で毎日過ごしていたら、感覚が狂ってくる。その立場(幹部)に将来なる人たちが、ああいうことをしているのかと思うと、将来の自衛隊そのものに信用を置けなくなってしまう」
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防衛大の在籍中に適応障害となり、退校した男性が「上級生からいじめを受けた」と訴えている問題について、木原防衛大臣が20日の閣議後の会見で、「ハラスメントを許容しない環境を構築する」などと述べました。会見の質疑応答をTBS NEWS DIGのYouTubeにアップしています。
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