戦時中に起きた、山口県宇部市の海底炭鉱・長生炭鉱の水没事故をめぐる動きです。

犠牲者の遺骨発掘と遺族への返還を目指す市民団体が19日、炭鉱の入り口・坑口を掘り起こす工事に向けた準備工事に着手しました。



太平洋戦争のさなか、宇部市の海底にあった長生炭鉱が水没する事故がありました。

朝鮮半島出身者136人を含む、183人の労働者が犠牲になり、その遺骨は今も炭鉱の中に残されたままです。

「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、遺骨の発掘に向け、炭鉱の入り口である坑口を開けて、坑道内の調査を進めることを目指しています。

坑口は地下4メートルあたりに埋まっているとみられていて、刻む会では掘り起こす工事に必要な建設機械の進入路の工事に着手しました。

坑口があったと見られる場所に続く小道周辺の草木を切り落とし、幅10メートル、距離およそ100メートルの進入路を3日間でつくる予定です。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 共同代表 井上洋子さん
「今まで私たちは坑口開けるよと言ってきたけど、何十年たっても前に進まなかったわけじゃないですか。それが本当に見える形で遺族のみなさんに届けていけることはうれしい気持ちでいっぱいです」

来週には、坑口を掘り起こす工事に着手する予定です。