イスラエル軍と戦闘を続けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが所持しているポケベル型の通信機器が一斉に爆発し、9人が死亡、およそ2750人がけがをしました。
レバノンでは17日、首都のベイルート近郊や南部地域を中心に、ヒズボラの戦闘員らが所持していたポケベル型の通信機器が一斉に爆発しました。
レバノン当局によりますと、一連の爆発で少なくとも9人が死亡、およそ2750人がけがをし、このうち200人以上が重体だということです。
イランメディアはレバノンに駐在するイラン大使も軽いけがをしたと報じています。
また、イスラエルメディアはシリアでも同様の爆発があり、ヒズボラの戦闘員18人がけがをしたと伝えています。
ロイター通信によりますと、この通信機器は携帯電話や固定電話の通信が探知されることを避けるため、ヒズボラのメンバーが連絡手段として使用。ここ数か月で新たに導入された最新機種だったということです。
ヒズボラは声明で、爆発の責任はイスラエルにあると非難したうえで、「正当な処罰」を受けるだろうと述べ、報復の意向を示唆しました。
一方、イスラエル軍はこれまでに爆発についての正式なコメントは出していません。
ヒズボラは去年10月以降、イスラム組織ハマスに連帯を示してイスラエル北部への攻撃を続け、イスラエル軍と激しく交戦。
イスラエル首相府は一連の爆発に先立ち、ヒズボラとの戦闘の影響で避難を余儀なくされているイスラエル北部の住民を帰還させることを新たな戦闘の目標に加えたと発表していました。
ヒズボラが報復に踏み切れば、さらなる戦闘の激化が懸念され、予断を許さない状況が続いています。
ポケベル型通信機器の一斉爆発について、アメリカ国務省のミラー報道官は「アメリカは関与していないし、事前にこうしたことが起きることは知らなかった」として、「現在、情報を収集している」と話しました。
また、ホワイトハウスのジャンピエール報道官はイスラエルとヒズボラの戦闘について「私たちは外交的な解決が必要だと信じ続けている」と述べています。
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