市役所の庁舎の整備をめぐり議論が続いている高知県室戸市で、市議会の9月定例会が開会し、植田壮一郎(うえた・そういちろう)市長は移転したい考えを改めて示しました。

1983年に建築された室戸市役所庁舎は津波浸水区域内にある上、耐震診断で「大規模地震が発生した際に崩壊または倒壊する危険性がある」と指摘されています。13日に開会した室戸市議会9月定例会で植田市長は現在の庁舎を耐震補強工事した場合、かかる費用の概算が28.2億円であるのに対し、移転した場合は防災や減災に係る地方債の借り入れを見込んで、市の実質的な負担額は想定で27.6億円と説明。負担に格差はないとして、移転したい考えを改めて示しました。

(室戸市 植田壮一郎 市長)
「概算事業費を庁舎移転よりも抑制でき、財政負担が少ない現庁舎の耐震補強などで良いとのご意見を頂いておりましたが、財政的な負担に格差がない状況から津波浸水区域外に庁舎移転をすべきであるとの私の思いが確固たるものになりました」

議会終了後、取材に応じた移転反対派の議員は、2023年の住民投票で現在の庁舎を耐震補強する案が移転案を上回ったことを市長は考慮すべきなどと話しました。

室戸市議会9月定例会は9月17日から一般質問が始まり、10月3日まで開かれます。