先月8日に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生して1か月が経ちました。
最大震度6弱を観測した宮崎県日南市には、今も深い爪痕が残っています。現地を取材しました。

(廣末圭治記者)
「日南市戸高地区の住宅街に来ています。地震から1か月、ようやく屋根瓦の修復作業が行われているところです」

先月8日の地震で震度6弱を観測した日南市。
1か月経った今も、屋根の修復作業が進められています。

(住民)
「地震がいつ来るか分からないから、もう本当に厳しい」

地域によっては、まだ屋根が壊れたままの状態となっているところもあります。

(住民)
「業者には頼んでいるが、やはり件数が多いということで、なかなか順番がまだ回ってきていない状態」

地震の爪痕は文化財にも。

日南市飫肥にある「豫章館(よしょうかん)」では、敷地内にある蔵が地震によって壁が崩れ落ち、さらに台風10号の被害も受けて、現在も、中がむき出しの状態になっています。

(日南市生涯学習課 佐藤智文副主幹)
「県を通じて文化庁と協議をしている段階。何よりも、土壁を塗る業者がないというのが難しい課題になっている」

地震の影響は、日南市の基幹産業である水産業にも及んでいます。

(廣末圭治記者)
「日南市油津港です。地震による地盤沈下の影響でしょうか、このように岸壁のコンクリートにおよそ10センチの段差ができてしまっています。そして、こちらをこれから補修するために、現在、測量作業が行われています」

油津港では、9日、港を修復するための測量が行われていました。

漁協によりますと、岸壁がひび割れたり、水揚げ場の地面が浮いたりした影響で、荷物の積み下ろしをスムーズに行えないなどの影響が出ているといいます。

(日南市漁業協同組合 日高 誠 さん)
「できれば早めに直してもらいたい。ただ、すぐに直るものでもないので、うまい具合にやっていかいないといけないかなと思っている」

生活の中に今も地震の爪痕が残る日南市。
住民は、1日でも早く元の姿に戻ることを願っています。