政権交代にはどんなハードルが? 星浩さんが解説

井上貴博キャスター:
立憲民主党をしっかりと根の張った組織にしていけるかどうか。ある意味で、自民党の総裁選挙よりも重要といえるかもしれません。

政権交代に向けてどんなハードルがあるのか、TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんに解説していただきました。

まず、ほぼ間違いなくこの秋に行われるといわれている次の衆議院議員選挙については、自民党を単独過半数割れに追い込めるのか?立憲民主党が第一党になれるのか?このあたりがポイントになるといいます。

また、これまで立憲民主党が訴えてきた政策については…

○ 政治資金規正法の再改正
△ 消費税引き下げ
× 安全保障関連法の反対


政治資金規正法の再改正については、きょう5日の会見で野田さんも踏み込んでいましたし、自民党との差として、企業・団体献金の禁止まで話をしていました。これは「○」で、再改正できるのではないかと星さんはみていますね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
政治資金規正法については、自民党の中からも「政策活動費をやめよう」というような声も出てきているぐらいですから、何らかの再改正はあるでしょう。

消費税引き下げについては「△」としました。なかなか実際には難しいことなので、立憲も実はもう取り下げようとしています。しかし、何らかの還付や給付の手当は出てくるかもしれません。

安全保障関連法については、もちろん参議院は自民党と公明党が多数で、そう簡単に改正はできないため「×」です。この法律を前提に、アメリカとの安全保障のいろいろなオペレーションが進んできたので、そう簡単に変えることはできないでしょう。少し問題点を指摘していくということになってくると思います。

ホラン千秋キャスター:
実際に数字上でも、自民党に対しての信頼が今どんどん減っている状況にあると思いますが、かといって立憲民主党も支持率が高いわけでもありません。どう戦っていけばいいのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
2009年のときは、当時の民主党の支持率のほうが自民党を上回る勢いでしたが、今回はまだ、立憲に対する追い風はそれほどでもないです。

ただし選挙区でみると、特に都市部周辺では、立憲の若手議員が非常に健闘しているところがあります。そのあたりが、どんどんこれから広がってくるかどうか。

そういう意味では、今回の代表選挙でどういうアピールをするか、リーダーを誰か選ぶだけではなくきちんと現実的な政策を打ち出せるかどうかが課題になると思います。

井上キャスター:
野田さんが本当の保守なのだということを期待する声は大きいですが、党との齟齬をどうしていくのかといったところも、今後の課題になるのかもしれません。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年