岸田総理就任時の政策発表を振り返ると…

加藤キャスター:
一方、現総理の岸田さんは、4日に山梨で行われた自民党議員の研修会で「これまで進めてきた政策を維持し発展させる候補者が誰かを、しっかり見極めることも重要なポイント」だと話していました。

ではここで、2021年9月に岸田さんが総理になったときの政策発表会見を振り返ってみましょう。中間層の所得を引き上げる「成長と分配の好循環」、さらに「令和版所得倍増」というものを掲げていました。
しかし実際にふたを開けてみると、この3年間で歴史的円安、物価高騰、実質賃金は2024年5月まで26か月連続マイナスという現状になっています。
ホランキャスター:
理想を掲げるのはもちろん素晴らしいことですし、理想を追い求めるのも政治家の仕事だと思います。
ただ、聞こえのいい言葉だけを並べて、実現できるかどうかという可能性みたいなものはあまり重視せずに掲げられてしまうと、そこだけを見るわけにはいきません。
そのあとの総選挙を控えていると考えたとき、一体どれぐらい実現できそうで皆さんがこういう言葉を紡いでいるのか、私たちもしっかりと見なければいけないと思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
たとえば岸田さんは3年前に総理になりましたが、今の金融資産課税では、株の売買や配当などで儲けたお金には、2割しか課税がかかりません。
岸田さんはそれをもう少し上げようとしていましたが、株価がガタガタガタっと落ちてしまったものですから、はっきり言って岸田さんはたじろいでいました。そこを自分で深刻に見つめて、どうしてできなかったのか、これからどうすればいいかというのを、少なくとも退陣する前に国民にきちんと説明すべきだと思います。
自分の政策はどこができて、どこができなかったのか。それは自分が努力したけれどもできなかったということを、真摯に打ち明ける必要があります。そうしないと、結局なんか綺麗事を言って去っていくのかなということになってしまいますよね。
井上キャスター:
今回は選択的夫婦別姓がすごくわかりやすいというか、イエス・ノーで濃淡が出てきました。「まだ国民的な議論ができていない」と逃げる人もいますが、「いやいや、議論ができていない、覚悟がないのはあなたたちでしょう」「これだけ経済界も早急にやれと突きつけているのに」と思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
経済界も、与党の公明党も言っているので、やろうと思えばお金は1円もかからずにできることです。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年