江戸時代に手作業で掘られた宮城県大崎市鳴子温泉の水路「南原穴堰」が「世界かんがい施設遺産」に認定されました。この水路は現在も農業用水を確保するため活用されていて、歴史的価値が高く評価されました。

世界かんがい施設遺産に選ばれたのは、南原地区の山間部を流れる「南原穴堰」です。

江戸時代、山の急斜面に手作業で掘られました。現在も農業用水を確保する貴重な水路として活用されています。

全長1880メートルのうちおよそ1300メートルが水路のトンネル、「ずい道」となっていて、3年かけ造られたと言われています。

世界かんがい施設遺産の認定について地元住民からは、先人に対する感謝の声が聞かれました。

南原地区の住民:
「直接的な喜びよりは先祖に感謝したいという気持ちが強い。私たちの代で終らせることなく後世に残していきたい」

日本時間の3日、オーストラリアのシドニーでは授賞式が行われ、出席した伊藤康志大崎市長に認定証と楯が贈られました。県内での世界かんがい施設遺産は、2018年に認定された大崎市岩出山の「内川」に次いで2か所目です。

世界かんがい施設遺産は去年までに、全国51施設が認定されていて、今年新たに「南原穴堰」を含め国内3か所が認定されました。大崎市は、8月6日に市役所で報告会を開くことにしています。