岩手県一関市が発注した水道工事を巡る贈収賄事件で、加重収賄や官製談合防止法違反などの罪に問われた元市職員と贈賄などの罪に問われた水道会社の元役員の初公判が3日行われました。

検察は2人の男にそれぞれ懲役2年6か月と懲役2年を求刑しました。
加重収賄や官製談合防止法違反などの罪に問われているのは、元一関市建設部副参事の那須野長己被告60歳。
贈賄などの罪に問われているのは、一関市の水道会社「永沢水道工業」の元役員・千葉敏郎被告68歳です。
起訴状などによりますと、那須野被告は2019年5月から2022年3月までの間に市が発注した7件の水道工事の設計金額を電話で千葉被告に漏らし、その見返りとして30回以上にわたる飲食の接待などでおよそ23万円相当の賄賂を受け取ったとされています。
盛岡地裁で開かれた初公判で2人はともに起訴内容を認め、千葉被告は一関市の公共工事を巡る別の官製談合事件で罪に問われている公契約関係競売等妨害についても起訴内容を認めました。
検察側は「社会的な影響が大きく、閉鎖的な市場を作るなど結果は重大」として那須野被告に懲役2年6か月と追徴金23万6601円を、千葉被告に懲役2年を求刑しました。

一方で弁護側は「深く反省している」などとして、執行猶予付きの判決を求めました。裁判はきょう1日で結審し、2人の判決は11月5日に言い渡されます。