2年に1度の芸術の祭典山形ビエンナーレが今年は、来月1日から開催されます。

きょうは、会場の1つ東北芸術工科大学で 学生たちの準備の様子を取材しました。今年は、山形のある名所がキーワードのようです。

佐藤真優アナウンサー「山形ビエンナーレが開催される会場の1つ、東北芸術工科大学にお邪魔しています。現在準備が進められています。見てください大きな山の絵!カラフルに描かれています。一方でこちらは水墨画のようなタッチで山がシンプルに描かれています。そう、今回のテーマとなった場所、蔵王なんです」



山形ビエンナーレは、山形市を中心に2年に1度開催される芸術祭。毎年、東北芸術工科大学の学生たちも運営に携わり、作品づくりも行っています。

6回目となる今年注目したのは、開湯から1900年の歴史がある蔵王温泉。

芸工大のキャンパスや温泉街で、美術作品の展示や音楽ライブなどが行われます。



ディレクター 三瀬夏之介さん「別の角度から僕たちが見せられる別の蔵王はないかということで、「山はうたう」蔵王は今どんな歌を歌うだろうかというテーマで作品を展示しています」



「老木が若芽に告げる「生きなさい」僕はゲレンデを駆け抜けて行く」

上山市出身の歌人・斎藤茂吉にも愛された蔵王。

会場のいたるところには、学生が詠んだ歌があります。実際に蔵王を歩いて感じた自然の豊かさを、まさに”うた”で表現。

会場では、昔ながらの木のスキー板といった展示物の設置などが行われていました。中にはこんなものも・・・

「においを嗅いでみてください。におい!? 温泉!そう蔵王に立ち込めている温泉の硫黄のにおいがします」



目玉の1つが蔵王の知られざる歴史。

ディレクター 三瀬夏之介さん「蔵王には昔、硫黄の鉱山があった。これだけ大きな鉱石が出るのは珍しく、ご神体になることもあり、地域の人たちが大事にとっていたものを見てもらおうと」

今回は、上山市の「蔵王鉱山歴史資料館」から特別にお借りしたという貴重な資料も作品の1つになっているんです。

こうした蔵王の歴史も感じられる今回の山形ビエンナーレ。着々と準備が進められているこちらは・・・

文化財保存修復学科2年 多賀糸尊(たがいとたける)さん「蔵王茂吉探訪と言って、自分がフィールドワークした記録をパネルに展示しているものになります」



自ら巡った蔵王の神社や、寺などのイラストや解説文。温泉街だけではない蔵王の一面を描いたといいます。

さらに…

「これ全部、蔵王の観光用のポストカードです」

今では懐かしい、蔵王の風景などの貴重なポストカード。田賀糸さんのコレクションの一部を展示会で見ることができます。

「素晴らしい!新境地じゃない!?」

こちらは完成したばかりの人の背丈を超える大きな油絵。



「テーマは”蔵王”です、まさに。過去から現在まで盛り込んだ詰め合わせパックのような蔵王山です」

この壮大な一枚の絵画には…

「隠れ茂吉、隠れ狼、隠れカモシカ」

Q遊び心もぎゅっと詰まっているんですね?

「遊び心満載でございます」

様々な角度から楽しめる蔵王をテーマにした山形ビエンナーレ。

来月1日から16日まで、蔵王温泉エリアと芸工大キャンパスの2つの会場で開催されるということです。