台風10号が接近する熊本県熊本市と大津町の様子です(29日午後6時15分ごろ)。一部の建物には、台風の影響とみられる被害が出ています。

熊本市中心部の様子

熊本市中央区の下通りアーケードは普段なら仕事終わりや学校帰りの人たちで賑わう時間帯ですが、人通りはいつもよりまばらに見えます。

また、外国人観光客の姿も普段より少ないようです。

外国人観光客に話を聞くと、「きょうは阿蘇にバスで行く予定だったが、すべてキャンセルになった。あす帰る予定だが飛行機も飛ぶか分からないし、不安だ」と話していました。

午前中から取材したところ、台風の影響を受けた人も多かったようです。

午前9時前の下通アーケードは、閑散とした街なかでスタッフ総出で台風対策をしている店がありました。

店の人「きょうお店は休業なのですが、台風対策として水が店に入らないように土のうを積んで浸水対策をしているところです」

壁にポッカリと穴が空いている建物もありました。地面には、がれきが散乱していて、台風の影響で壁がはがれたとみられます。

駐車場の管理者によりますと、きのう(28日)夜の時点では、壁は剥がれていなかったということです。

熊本市によりますと、午後6時時点で市内では912世帯1491人の方が避難所に避難をしているということです。

大津町の様子

JR肥後大津駅では、先ほどまで横なぐりの雨が降っていました。現在雨はやんでいますが、依然として風は強い状況です。

普段であれば帰宅する人たちが多い時間帯ですが、JR豊肥線が運転を見合わせていてほとんど人の姿はありません。また普段、夕方の大津町は交通渋滞しているところが多いですが、きょうは車とすれ違うことも少ないような状況でした。

タクシー運転手は「きょうは多くの工場が休んでいるから車が少ない。いつも乗せる人も今日はいないので、大変だ」と話していました。

また、この辺りはマンションの建設も進められている場所が多くありますが、台風に備えネットを外しておくなどの対策も行われていました。

大津町を含む熊本県北部では午後から激しい雨が降りはじめ、夜にかけても激しい雨が降るおそれがあります。

引き続き警戒が必要です。