答えは「0個」です。意外に思われるかもしれませんが、これには上陸という言葉の定義が関係しています。
気象庁では、台風の上陸の定義を、「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」としています。統計開始以来ずっと台風の上陸がなかった宮城県では、去年7月28日に初めて、台風8号が石巻市付近に上陸しました。一方、「小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合」は「通過」と定義していますので、台風の中心が沖縄などの島の真上を通った場合でも、上陸ではなく通過とされるのです。
今年は上記のような「通過」の例がすでにあり、台風4号は、7月2日の夜に沖縄本島を通過したあと、5日の明け方に長崎県佐世保市付近に上陸しました。

また、台風8号は、8月13日の昼過ぎに静岡県の御前崎付近を通過したあと、夕方には伊豆半島に上陸しました。台風の中心は伊豆半島の付け根のあたりに到達したあと、海上には抜けずに関東地方を北東に進んだため、これは通過ではなく上陸という扱いになったのです。

台風がどのあたりに上陸するかというのは確かに気になるところですが、台風の中心から離れていても風向きや地形などによっては災害が起きるような大雨になることもあります。また、台風が上陸せずに北上すると、陸地による摩擦を受けず、台風のエネルギー源となる海からの水蒸気の供給が続くため、勢力を保ったまま進んでいくということも考えられます。進路が陸地から多少反れても油断はしないようにしましょう。