■ 油をふき取っただけなのに…

8月30日未明、熊本市にある警察学校の武道場から火が出て廊下の床の一部などが焼けました。


消防などによりますと、きょう8月30日午前 2時半ごろ、熊本市中央区渡鹿(とろく)にある警察学校の関係者から「武道場から煙が出ている」と119番通報がありました。

記者
​「火は警察学校敷地内の北側にある建物から出たとみられています」


火は約20分後に消し止められましたが、武道場 2階の廊下にある掃除用具置き場に重ねて置かれていた雑巾と床の一部が焼けました。


警察によりますと、火が出たとき武道場にはカギがかかっていて人はおらず、けがをした人はいませんでした。

警察は床のワックスがけに使った雑巾が自然発火した可能性もあるとみて、原因を消防と調べています。

■なぜワックスがけに使った雑巾から火が出る可能性があるのか?


ワックスの成分となる油がその原因です。
こちらの実験映像をご覧ください。


雑巾で拭き取っているのは、植物油を主な成分とする塗料です。しかし、拭き取ったままそれを放置すると…60時間後には黒く変色し、煙が出てきました。


そして…火が付きます。


塗料やワックスに含まれる油は空気に触れることで酸化し、その際に発熱する性質があり、条件が揃えば自然発火する恐れがあるということです。


日常生活でワックスや塗料はあまり使わないと思いますが、アロマオイルなどをうっかりこぼしてしまうこともあるかもしれません。これには注意が必要です。


洗濯・乾燥機の中にあるのはアロマオイルが染み込んだタオルです。実験では一度洗った後に乾燥しましたが、乾燥後にそのまま放置すると…煙が出はじめ、こちらも火が出ました。


洗濯しても油分が残っていて、乾燥による熱も加わり、自然発火することがあるそうです。


実験を行った製品安全センターによりますと、美容オイルや食用油なども乾燥機にかけたり長時間放置することで 自然発火のおそれがあるということで、注意を呼びかけています。