ダンプカーがからむ死亡事故を受けて中止されていた、普天間基地の移設工事に関連する土砂の運搬作業が22日に再開されました。

防衛省は、ことし6月に名護市の安和桟橋近くで警備員の男性がダンプカーにひかれて死亡した事故を受け、普天間基地の移設工事に関連する土砂の運搬を中止していましたが、安全対策を講じたとして、22日午前7時半ごろから運搬作業を再開しました。

ダンプカーが出入りする桟橋の入り口付近には、移設工事に反対する市民らが集まり作業再開に抗議したため、警備員は車両が通行する際に歩道から車道に出られないようにネットでふさぐなどの対策をとっています。

土砂の運搬作業はその後も続いていて、ダンプカーが頻繁に出入りを繰り返しています。

抗議する男性
「原因も究明されない、しかもこんな状況だと事故はまた続きますね」

抗議する男性
「ちょっと考えられない。今までも時々、完全に市民を排除してダンプを入れることがあったけど、ずっとでしょ。30分以上完全に通させないようにした」

土砂運搬作業の再開について玉城知事は「説明や協議なく遺憾」と憤りをあらわにしました。

玉城知事
「事故原因の究明や事故の再発防止策についての説明および協議が行われないまま土砂運搬作業を再開するとしたことは真に遺憾であります」

運搬作業再開の方針を受け、玉城知事は21日、道路管理者である県と工事の請負者を監督すべき義務をもつ防衛省が作業再開前に話し合うべきだとして憤りをあらわにしました。

玉城知事
「どう安全対策をとるべきかというのは、双方において確認することが必要だと考えている」「防衛局に『協議をする必要がある』ということは伝えていきたい」

事故をめぐっては県が防衛省に対し原因究明と安全対策を求めた一方で、防衛省は県に対しガードレールの設置などを要請しています。