ズルズルズル、大阪府茨木市内のラーメン店で、麵をすする音が寂しげに響く。

(足立康史氏)
「ここ行きつけなんだよね、そんなに量食べられないから半ラーメン半チャーハンで十分なんだ」

この数時間前―。
日本維新の会 臨時党大会(8月27日)

(会場のアナウンス)
「足立康史氏1158票、馬場伸幸氏8527票、梅村みずほ氏1140票」

日本維新の会、結党以来初となる代表選挙で足立氏は大敗した

「松井さんや党組織に負けた」

事務所にて佇む足立康史氏

その敗因について、足立康史氏はこう分析するー

(足立康史氏)
「松井さんは事実上の後継指名、吉村さんも支持を表明して、選挙には不正がある、多重苦の戦いなので、全く想定の範囲内。馬場さんに負けたっていうより松井さんや党組織に負けたって感じ」

"対立候補ではなく党に負けた"という言葉を私は去年、衆議院議員選挙で維新候補に敗北した自民候補から耳にしたことがある。その言葉をまさか維新議員の口から聞くことになるとは思わなかった。

「もうポストは期待していない」

(足立康史氏)
「とにかく馬場陣営には徹底的に組織固めをされた。維新らしさが国民に広く伝わる選挙ではなかったよね、そういう点では今回の選挙は失敗だと思うよ。僕にも責任がある」

目を細めながら足立氏は続ける。

(足立康史氏)
「松井さんは今回、申し訳ないけど、晩節を汚したよ。既得権死守に邁進する姿を見てしまった、という点では人間的なシンパシーはもうなくなった

代表選について松井一郎前代表は負けたら"冷や飯"と繰り返し口にしていた。党国会議員団の政調会長を務める足立氏だが、今後については?

(足立康史氏)
「政策作りからは1回身を引くってことじゃないかな?もうポストは期待してない、権力闘争に負けたわけだから。維新らしさの最大のポイントは地方重視と党員民主主義だと私は訴えていたわけだから、一貫して来年の統一地方選挙に向けた応援と党員の拡大のために一兵卒として邁進していこうと思っているよ」

足立氏は"温かいラーメンと焼き飯"を頬張りながら、静かに笑顔を見せた。