焼けただれたピンク色の人々

岩穴に流れる湧き水は当時、けがや病気が治ると信じられていました。あの日、原爆の熱線で体を焼かれ、焼けただれた人々が求めたのは、この湧き水でした。

堤寛子さん:
「水をくれー、水をくれー、とさまよっている人たちが這いながら来てたんですよ。女の方でしたけどここが真っ赤で、赤じゃなくてピンクみたいな赤みたい。焼けただれたのがひどかったですね」

戦後、寺に建てられた「平和観音」。堤さんは絵筆をとって、原爆で亡くなった人々の霊をとむらいます。

堤寛子さん:
「戦争はダメ。戦うことはダメ。お互いに許しあわないとですよね」