南海トラフ巨大地震が起きた際には、津波をはじめ、大きな被害が想定される静岡県。南海トラフ地震臨時情報の初めての発表は、沿岸部では、いざという時のために備えを見直す機会となりました。

<浜松からの観光客>
Q.気にかけているのは?
「やっぱ地震。南海トラフ。ちょっと怖いな」

<海水浴場での呼びかけ>
「巨大地震注意が発表されています。もし地震が発生した場合にはライフセーバーの指示のもと、避難してください」

例年、県内外から多くの観光客が訪れる静岡県牧之原市の静波海水浴場です。

<愛知からの観光客>
「避難所とか確認をして、確認したうえで水とかを持って頭に入れた中で遊びに行こうかなと」

臨時情報を受けて、遊泳禁止とする海水浴場もあったため、海水浴客の動きにも変化がありました。

<海の家「松風荘」山下みゆきさん>
「同じ県内でも伊豆の方からのお客さんもいます。(臨時情報の)影響があって海水浴ができない、ライフセーバーさんがいない海水浴場があるので(ライフセーバーのいる)こちらを選んで来ている」

この事態に避難誘導を行うライフセーバーの中でも警戒感を高めました。

<牧之原ライフセービングクラブ 磯辺光太郎チーフ>
「いつもですとあちらにある避難タワーに走って逃げるんですが、もう少し先の方まで自分たちも予想して避難する誘導経路とかを確認しています」

牧之原市は臨時情報の呼びかけが終了した後も、災害時の速やかな行動を意識してほしいとしています。

南海トラフ巨大地震で発生から2分で最大11メートルの津波が想定される静岡市清水区。50人の高齢者が暮らす介護施設で最も注力したのが「避難経路」の再確認です。

<ラ・ナシカ三保の松原 米倉竜也施設長>
「入居者と一緒に屋上に避難することを考えています」

この施設は「津波避難ビル」に指定されていますが、平均年齢90歳の入居者の安全を確保するためには、迅速な避難が不可欠です。さらに。

<ラ・ナシカ三保の松原 米倉竜也施設長>
「こちらが、救命いかだになります」

津波が屋上まで到達した場合を想定し、用意している「救命いかだ」。その組み立て方法も、職員間で確認し合いました。

<ラ・ナシカ三保の松原 米倉竜也施設長>
「これからも地震災害が起こる可能性はあるので、気を引き締めて準備・見直しなどはしていく必要がある」

子どもを預かる施設でも災害への意識を高める機会となりました。

最短で約2分で津波が到達すると想定される静岡県焼津市。海の近くの保育園では、園が用意する備蓄とは別に各家庭ごとに1日分の備蓄を用意してもらい、園の最上階に保管しています。職員間の情報共有を徹底し、おむつなどの保育園ならではの備えを点検しました。

<石津保育園 渡邉雄哉さん>
「今まできちんとできていたと思っているんですけど、本当に出来ていたか、という確認を今回機会を得てやらせてもらった」