▽仲村渠力矢さん(西・青年会)
「(綱が)切れないで綱曳きが無事終わることを祈るのみですね。初参加の大綱曳きなのでワクワクで楽しみで、毎日眠れないです」
そして迎えた大綱曳き当日ー
綱曳きの前には、さまざまな催しが執り行われます。
綱曳きの成功を願う御願(ウガン)や、本番までの気持ちを高める道ジュネー。

空高く持ち上げられる旗頭に、音色で活気づける鉦鼓隊(しょうこたい)。歌い踊る、カラフルな着物の女性たちと、盛りだくさんです。
本番までのブレイクタイム、東と西の陣営にそれぞれの意気込みを聞いてみました。
▽桃原和也さん/東・親頭
「東は大綱曳きで1度も負けたことがないので必ず連勝を守ります」
▽仲村渠力矢さん/西
「緊張もありますけど1番はワクワクして、あとは西が勝つのみですね」
午後4時過ぎ。いよいよ大綱曳き会場へ入場です。

両陣営が棒を持ち、渦巻くように円を描きながら体をぶつけ合うグーヤマーチが披露され、竹で編まれた台「チナブ」に乗せられて、艶やかな衣装を身にまとったシタクが登場。六尺棒で支えながら運ぶのが、津嘉山大綱曳きの特徴です。
こうして、綱の前へ。東と西の綱の輪の真ん中にカナチ棒が差しこまれ、長さおよそ100メートルの大綱が完成し、いよいよ勝負の時…

両者譲らぬ大接戦の末、綱は大きく東に… 開始から10分で、東に軍配が上がりました。
▽観戦した人は(八重瀬町から)
「素晴らしかったですこんな綱曳きはじめて見ました」
▽津嘉山区民の女性
「感激!すごく嬉しかったね、懐かしかった。若い人にねそのまま引き継がれていったらいいですね」

勝っても負けても思いはひとつ。綱曳きを終えた東と西、これからも伝統を繋ぐ思いは強まりました。
▽桃原和也さん/東・親頭
「小学生・中学生が10年後は青年会にいる歳なので、その子たちが同じことをしたいと声を上げてくれたら、僕らも全面的に協力するつもりでいる。この大綱曳きを今50代になって親頭として、責任者を務めてよかったです」
▽仲村渠力矢さん/西
「津嘉山区が一致団結できたのが一番大きな収穫になるのかなと。次は僕らが受け継いでこの伝統をつなげるべきなのかなって思いました」
南風原町を訪ねると、古き良き伝統を守り抜く、津嘉山区民の団結する姿がありました。(取材 黒島ゆりえ)