“有料抗議”が話題に…

小笠原キャスター:
ベースマーク(最低評価)になるとかなり点数を減らされるということで、日本は初日のテクニカルルーティンで演技終盤の脚技の抗議をしています。これが認められずにベースマーク(最低評価)を受けたということです。抗議した結果、技が認められて約30点の加算になり、点数が増えて結局メダル圏内に浮上しました。抗議のときにお金を払うという“有料制度”というものも話題になりました。

世界水泳連盟によると抗議制度とは、ベースマーク(最低評価)と判定された場合には競技終了後30分以内の抗議が可能になります。抗議をするのに500スイスフラン(約8万5000円)を支払います。この抗議が認められて評価が変われば、返金されるということです。
SNS上では「抗議が有料って意味が分からない」「サッカーでいうVARが有料みたいな感じ?」「不必要な抗議をさせないための有料化なんだね」という声がありましたが、認識としてはこういうことでいいのでしょうか。
田中ウルヴェ京さん:
今のところ聞いているのは、乱発しないためであって、しっかりどこのベースマークだったのかということを審判に聞いてからのプロテストですね。
井上キャスター:
体操競技でも有料で抗議というのはありますし、サッカーや野球は映像を確認するとある程度すぐ判定が出ますが、やっぱり採点競技で繊細な技を繰り出していると時間がかかるので、乱発させないようにというのはわかる気がします。でも選手としては有料か無料かというのは嫌なものですか。
田中ウルヴェ京さん:
どちらかというと、もう1回ちゃんと判断させてもらえることはいいと思います。なぜなら、お金は抗議が正しければ返金されますから。皆さんに聞くと、「そのお金はユーロのときもあれば5万円のときもある」と伺いました。つまり、大会によって金額は変わると言っていました。お金を用意をするということはルール上で決まっているというふうにおっしゃっていました。細かく見てくれることは良いことではありますよね。
ホランキャスター:
でも慣れるまではやっぱりまだまだ戸惑いも多いでしょうね。
田中ウルヴェ京さん:
去年変わったばかりなので、どう解釈するかっていうことはもちろん今回すごく課題になっているみたいですね。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
1988年ソウル五輪 シンクロ・デュエット 銅メダリスト
こころの学び場コミュニティ「iMiA(イミア)」主宰