去年「採点方式」が大幅変更 事前申告通りの技ができていないとみなされると大幅減点

採点方式の変更点を見ていきます。

まず旧ルールでは、技術点・芸術点、演技全体で100点満点でした。

新ルールはフィギュアスケートを参考にしたと言われていますが、演技の構成を事前に申告します。その構成された技に対して申告通りに技が判定されない場合は大幅減点になり、ベースマーク最低評価になってしまいます。

難易度・完成度・芸術点・各選手が揃っているかということを4人の審判が採点するということです。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
この新しいルールは国際水泳連盟の技術員の人に確認しました。これだけ細かくなったということです。各選手が揃っているというのは、つまりシンクロナイゼーション=同時性という意味です。

ホラン千秋キャスター:
ちなみに、その旧型の採点方式から新型になったのは、何を改善するためにここまで変わったのですか。

田中ウルヴェ京さん:
簡単に言ってしまえば難しい技を細かく見て、それに対して加点することにしたということです。難しい技をよりわかりやすく、ちゃんと点数に評価させるということです。

それから事前に技を報告することによって、360度回転のつもりだったのに350度になってしまったみたいなことは見てみないとどれだけできていたかという判断もできないので、事前通告にしたっていうことも大きい変更点です。

ホランキャスター:
以前までは、例えば360度回転なんだけれども、途中で180度に変えても成立していればOKみたいなことだったんですか。

田中ウルヴェ京さん:
各選手がそろっていなかったら同時性で減点されますし、完全に技ができていたかどうかという意味ではエックスキューション(完遂度)で減点されていました。でも、事前にはわからないから技がどの程度できているのかということが即座にわかりにくかったという事情はあります。

井上貴博キャスター:
どんどん大技が出ることによってエンターテインメント性が高まるのはスポーツにとってはいいことだと思いますが、ヘッドコーチがずっとおっしゃってたのが「悔しい」と。「事前申告で『これはダメだろう』と思っていたものが、アメリカの選手を見たら普通にやっていた。情報が日本だけすごく遅れていた」と。「アメリカ・スペインの関係者で作ったもので、なぜこんなに情報が遅れるのか」という発言をしていて、これはどういうことなのでしょうか。

田中ウルヴェ京さん:
情報が遅れていたのか、解釈が違っていたのかということをもう一度ちゃんと聞かなければいけないことはあります。なぜなら、国際連盟のルールを決めるところに日本人の技術委員はいるので、きちんと理解されています。ただ、その解釈が違ったのは事実で、現場の人たちが「今はルールの移行期なので難しい」とおっしゃっていました。

井上キャスター:
情報共有がなされてなかった可能性がありうるってことですか。その情報が遅れていたから点を取りに行けなかったかもしれないし、齟齬があったかもしれない。

田中ウルヴェ京さん:
ただ、技術員はいたし、そしてコーチもわかっていたので、どの程度の解釈の意味だったのかというのが私もまだわからないです。細かくなったがゆえの難しさということだと思っています。