「月ぬ走いや、馬ぬ走い」(ちちぬはいや、うんまぬはい)

馬さながらに歳月は駆け抜けてしまうので、時を大切にしようという沖縄の“黄金言葉”(くがにくとぅば=金言)です。

『月ぬ走いや、馬ぬ走い』


この言葉を小説のタイトルにしたのは、沖縄県出身の現役大学生、豊永浩平さん。作品に込める思い、そして理想とする作家像を聞きました。

▽編集者・新城和博さん
「すごいなと思った1つは、タイトルにウチナーグチを付けるって、結構勇気がいるんです」

▽豊永浩平さん
「そうですね。やっぱり編集さんとの話し合いでは共通語の方が絶対に伝わりやすいしキャッチーで分かりやすいと言われましたが、どうしてもこれにした方がいいって思いました」

作家・豊永浩平さん(左)、編集者・新城和博さん(右)


7月、那覇市の書店で開かれたトークイベント。小説『月ぬ走いや、馬ぬ走い』が出版されたのを記念して開かれました。

『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は、旧盆の中日(ナカビー)に幼い子どもが戦争で命を落とした日本兵の亡霊と遭遇する場面から始まり、10人以上の視点からそれぞれの異なる沖縄の戦中・戦後史を描いています。