自分を正当化していく“加害者構文”…
斉藤章佳さん「(加害者は)『おはよう』から始まって『おやすみ』まで、徹底的に子どもに寄り添います。メンタルに問題を抱えている、いわゆる弱っている子どもを見つける嗅覚は本当に優れていて、その子にとっての良きカウンセラーになっていきます。受容、共感、傾聴を巧みに使って、子どものことを絶対に否定しません。子どもにとっては、初めて自分のことを受け入れてくれた大人という位置づけになっていきます」
斉藤さんが知る加害者は「5年ぐらいかけてずっとラインとかで毎日やりとりしながら、実際に性加害に及んだのは被害女児が小5の時」でした。
子どもに性加害を行う教師のケースでは、多くは児童や生徒に人気があり、同僚や上司、保護者からも信頼されているといいます。

加害者は児童を取り巻く環境も手なずけていき、さらに自分自身の認知もグルーミング(セルフ・グルーミング)して性加害行為を正当化していくということです。
▼これは性教育なんだよ
▼優しく教えてあげるから犯罪じゃないんだよ
▼この子もいずれセックスを経験する時が来る。その前に僕が教えてあげるんだ
斉藤さんはこれらを“加害者構文”と呼んでいます。「加害者自身が自分の行為を正当化するために自分自身を手なずけていきます。グルーミングの手口にはこうした“加害者構文"がふんだんに盛り込まれています」と指摘します。