岸田総理は、8月24日、新たな新型コロナ対策の方針を示しました。感染者の「全数把握」の見直しや「水際対策」の緩和を表明、さらに政府が「療養期間」について、感染し症状がある場合、「原則10日間」から「7日間」に短縮する方向で検討していることが分かりました。
■「水際対策」を緩和へ ただ、新規の感染は“高止まり”
新型コロナに感染し、公邸で療養中の岸田総理はオンラインで取材に応じました。
岸田文雄総理
「全数届け出の見直し、そして陽性者の隔離期間の短縮などについては、感染状況の推移をしっかり見た上で、出来るだけ速やかにお示しをしてまいります」

岸田総理は、医療機関が感染者の様々な情報を届け出る“全数把握”を見直し、事務負担を減らす緊急避難的措置として、自治体の判断で、報告の対象を高齢者や重症化リスクの高い人などに限定できるようにする方針を示しました。
ただ、感染者の動向を把握するため、それ以外の感染者の年代や人数の報告だけは、続けていく方針です。
その感染者数は、24日、東京都では2万5444人。全国では24万3483人と、高止まりの状態が続いていますが、政府は水際対策を緩和させます。
岸田文雄総理
「9月7日からは、ワクチン3回接種完了者に対しては、出国前検査の陰性証明書の提出を求めない」
現在の水際対策について、日本への入国や帰国時に求めている72時間以内のPCR検査などを、9月7日から、ワクチンの3回接種を条件に免除すると発表しました。
政府関係者によりますと、現在1日あたり2万人の入国者の上限も、5万人に緩和することで検討を進めているということです。
■観光事業者には期待と不安
外国人観光客に人気の京都。インバウンド復活への期待が広がっています。
市内のホテルでは、6月の受け入れ開始以降、外国人観光客の予約はほとんど入っておらず、部屋の予約はコロナ前の同じ時期の5割程度にとどまっているといいます。
京都プラザホテル本館・新館・清水洋平支配人
「(現在入国が)厳しい条件ですので、ワクチンとかそういったところの規制の緩和があれば(外国人の)お客様が来やすくなる」

タクシー会社では、2021年8月にはゼロだった大型バスの予約も、2022年は外国人観光客の予約で徐々に埋まっているといいますが・・・。

日本城タクシー・坂本篤紀社長
「(感染の)拡大局面で緩和するのが怖いかなと思う。商売的にはいいけど、(感染が)とことん拡がったら商売にならない」
■有症状者の療養期間は10日→7日へ
新型コロナの感染者の療養期間についても見直されることになります。
現在療養期間は、症状がある人は原則「10日間」、症状がない人は「7日間」です。

しかし、政府関係者によりますと、社会・経済活動への影響を考慮し、症状がある人で「7日間」、症状がない人で「5日間」とそれぞれ短縮する方向で検討しているということです。