自身が県知事に就任した際に描く沖縄の未来像について問われ、次のように答えました。



玉城デニー知事
「沖縄の魅力をフルに発揮するとともに、県民1人1人が安全・安心で幸福が実感できる島を目指すということで進めて参ります。人が輝いていく、そういう沖縄を私は必ず作っていきます」
佐喜眞淳氏
「若い方々がチャレンジをして、沖縄に誇りを持てて、故郷沖縄がどんどん変わっていく、返還跡地は、国際機関やあるいは沖縄の宝をみがく、大きな財産です。佐喜眞淳にこの未来を託していただきたいと思います。必ず私ならできます」
下地幹郎氏
「改革したい。改革の目玉は何か、国に頼らない沖縄をつくる。もう国との強いパイプとか、国から1000億もらってきて経済危機突破をやるとか、そんなことは私の頭の中は0です。すべての経済政策を自分たちでやっていく」
〇、×、△の札を使って自身の考えを示す問いでは、知事選の結果は辺野古への“民意”の表れだとして、3人の答えは一致。このほか、観光産業は今後も沖縄の基幹産業かという問いについても、3人の認識は〇で一致しました。
互いに質問をぶつけあうクロス討論では、白熱したやり取りが展開されました。
下地さんは佐喜眞さんに対し、旧統一教会との関係について質しました。
下地氏から佐喜眞氏への質問
「統一教会(関連団体)からこれだけ推薦をもらって政治をやっているというこの現実の中で、自民党沖縄県連があるわけですよね」
佐喜眞氏の回答
「私自身も知らなかった、あるいは認識がなかったということも含めて、ある意味集会とか案内があった時にお話しするとかございました。ただし私自身は、金銭のやり取りとか、あるいは広告塔になっているとか、様々なことが言われています。それは一切ございません」
下地氏の再質問
「統一教会のことについて知らなかったというこの答えそのものが問題だと思いますよ。知っていて、悪うございましたというのはわかるけども、本当に知らなかったという人はちょっと考えられない」
佐喜眞氏の回答
「この問題が大きく報道されてから、様々な調査を行いながら、その状況を知ったということでご理解をいただきたいと思います。今現在も実際は一線を画して交流をとっておりませんので、襟を正しながら、県民のために全力で故郷沖縄のために尽くしていくというのが私の立場でございます」
また玉城知事は、2030年までに普天間飛行場の返還を実現すると訴える佐喜眞さんに、その根拠を問いただし、佐喜眞さんは「政府としっかり話し合いをもって信頼関係を構築することが大切」だとかわしました。
一方、佐喜眞さんは玉城知事に対し、埋め立てられた辺野古の活用方法について質しました。
佐喜眞氏から玉城知事への質問
「そのような考えを既に政府に対して示しているのか、それとも国との信頼関係を完全に失っている中で、そのような主張を実現できると考えておられるのか」
玉城知事の回答
「埋め立てられる地域が、本来であれば原状回復が望ましいのですが、もし現状回復ができないのであれば、政府と交渉してそこは国有地になっているので、国有地をどのように活用するかについては、観光拠点、平和拠点など、活用方法についてはいくらでも道筋はあると考えています」
佐喜眞氏の再質問
「知事がそういう思いはあるにしても、そもそも訴訟を繰り返し、なおかつ敗訴を繰り返す沖縄県が政府に対してそのような提案をして、政府がはいわかりましたという話にはならないと思うんですね」
玉城知事の回答
「まずは政府責任の原状回復を政府の責任でやるということを、我々は要求します。その上で原状回復は厳しいと。その土地を活用できるのであれば基地という活用ではなくて、雇用や経済にしっかりと反映できるような計画を沖縄側から提案する。これは至極当然だと思います」
下地さんからの質問では、玉城知事に対し辺野古の埋め立てが進んでることへの責任を問い、玉城知事は「基地を認めないという主張が、基地建設を止めることに繋がる」と答えました。
続いて下地さんへの質問では、玉城知事が、高等教育を無償化するための教育税導入の妥当性について質しました。
玉城知事から下地氏への質問
「県民1人あたり月2000円の教育税を導入するとしています。教育費を無償にすると言いながら、家計に負担を求めるのは本末転倒ではないかということについてお考えを聞かせてください」
下地氏の回答
「私が知事として手腕を発揮し始めたら、この1つ1つの財源を税の負担の部分を小さくしていこうと思っています。しかし、ちゃんと2000円と書くところに、真実味があってこれができるんだということを県民にも知っていただく、これが大事だと思っています」
玉城知事の再質問
「年金生活者や貧困世帯など、今目の前のお米も食べることができないそういう環境の方がいる中で、税を徴収するということを主張しても、なかなか納得できないだろうと思います」
下地氏の回答
「教育の無償化に対する強い政治家という信念が私は玉城さんと違う。私は子どもに投資するんです。すべての子どもに教育のチャンス、平等を与えるというのは、これは県知事がやる仕事なんです。正直言って財源の話で、この話を攻めてくること自体、政治家の資質が問われる」
佐喜眞さんからの質問では、普天間基地の危険性をめぐってオスプレイの訓練移転先について問い、下地さんは「機体は辺野古の埋め立てられた場所に移駐し、馬毛島に訓練を移す。」と応じました。
このほか、沖縄タイムスの読者から寄せられた、公文書の管理や、観光産業をめぐる宿泊税の導入について、舌戦が繰り広げられました。
県知事選挙は、あす告示、来月11日に投開票されます。