22日に行われた夏の全国高校野球選手権決勝で勝利し、初優勝を果たした仙台育英高校。東北勢初の頂点に立ち、深紅の優勝旗がついに「白河の関」を超えました。大会期間中、ユニフォームを真っ黒にしながら全力プレーを見せた仙台育英。そのユニフォームの洗濯にまつわるエピソードが、話題を呼んでいます。

新大阪駅の近くにある「ベニーランドリー」。その店内には1冊のノートが置かれています。「一人暮らしの方が多いので、待っている時間に心のつぶやきや心配事や悩み事を書き留めてもらえたら」と、オーナーの中西あかねさんが設置したこのノート。時には人生相談が寄せられることもあるという様々なコメントに、毎回、中西さんが返事を書いています。

「久しぶりに帰ってきました」仙台育英高校からのメッセージ

中西あかねさんが設置したノート

『仙台育英硬式野球部久しぶりに帰ってきました。短い間ですがよろしくお願いします』

前回出場した2019年にもメッセージを残していたという仙台育英の選手たち。3年ぶりの出場となった今大会中も、ほぼ毎日宿舎近くのこのコインランドリーを利用し、その度に感謝の言葉を書き込んでいました。

『明日8:00から鳥取商業との初戦を迎えます。悔いの残らないよう一戦必勝で頑張ります』
『絶対明日も勝ってここに帰ってきます』
『皆様の応援メッセージが力になりました』


中西さん:
本当にチーム一丸となって戦っているんだろうなと思っていました。『悔いなく力一杯出せると良いですね』とメッセージを書きました。

チームが勝ち進むにつれ、ノートにある変化が起こりました。

『仙台育英も悔いの無い試合になる事を祈ってる!近所のおばさんより』
『応援しています!見に行きます!』


近隣住民が応援メッセージを書き込むようになり、選手との絆が生まれたのです。
決勝の前日にも、そこには変わらぬやりとりがありました。

『8/21 今日は甲子園での練習がありました。決勝戦に向けて良い準備ができました。明日の試合に必ず勝ってこのノートに優勝報告させていただきます!仙台育英学園硬式野球部』
『明日、決勝、全力で楽しんで下さい。心から応援しています』


仙台に戻る直前の選手達から届いた感謝の言葉

日本一から一夜明け、コインランドリーには仙台育英のメンバー全員から、寄せ書きが届きました。

仙台育英の選手から届いた寄せ書き
『日本一のコインランドリーのお陰で日本一になれました』
『3週間お世話になりました!』
『来年また戻ってきます』


中西さん:
優勝した次の日に残してくれたお店へのメッセージを見ても、忙しいだろうしお疲れでしょうにそこまで気を使っておられるというのが、本当に気配りを出来るチーム、そういう意味でも力のあるチームなんだろうなと思います。礼儀正しく明るくて、応援したくなるような子達でした。

『優勝おめでとうございます』
『悲願の東北勢の初優勝感動しました』
『お疲れ様でした』


ノートは、住民からの祝福と労いのコメントで溢れていました。

中西さん