ウイルスを殺傷する能力がある「キラーT細胞」を使った新型コロナウイルス感染症の治療用製剤を試験管レベルで作成することに世界で初めて成功したと、京都大学が発表しました。今後、ヒトに使える製剤にするための臨床試験を行いますが、新型コロナに限らず、新しく発生する、あらゆる“未知の感染症”に対応できる製剤を目指した開発を進めるということです。
京都大学医生物学研究所の河本宏所長らは、新型コロナウイルスへの攻撃力を高めたキラーT細胞を使った治療用製剤の開発を試験管レベルですが、世界で初めて成功したと発表しました。
研究では、今回作製したキラーT細胞によって、12時間ほどすると、ウイルスに感染した細胞が次々に死滅したということです。
このキラーT細胞の作製方法はまず、新型コロナワクチンを接種して、免疫ができた人の血液からキラーT細胞を分離し、遺伝子配列を解読。その遺伝子情報を、あらゆる細胞に分化することが可能なES細胞に組み入れて、新型コロナウイルスへの攻撃に特化したキラーT細胞を作ります。
他人の遺伝子を用いたキラーT細胞が、患者の体でいわゆる“拒絶反応”を起こさないためには、“ES細胞から高品質なキラーT細胞を作ること”が求められますが、河本所長は「質の良いキラーT細胞を作る技術を持っているのは、今のところ世界で我々だけだ」と独自の技術によって、今回の製剤化が実現したと強調しました。
さらに、この製剤にはいくつものメリットがあります。
▼ES細胞を使うことで、大量生産が可能なため、コストを低く抑えることができます。また、▼必要な時に、必要な細胞数を、患者に提供できるだけでなく、▼凍結保存できるので、いざというときのための備蓄も可能です。
河本所長らは、まずは難治性の新型コロナの患者向けに、藤田医科大学で3年後を目指して、臨床試験を開始したいとしていますが、同時に、SARSやMERSなどに加え、全く新しい感染症にも対応する製剤の開発も進めることにしています。
今回の製剤化の成功について河本所長は「新しい未知の感染症が出現したとしても、アミノ酸配列など、ウイルスの正体はすぐにわかる。それさえわかれば、ウイルスを攻撃するT細胞がすぐに作れて、新興再興感染症で患者が死ぬこともなくすことができる。そういうことに繋げられる技術だと思う」と話していました。
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