「同じ経験をして欲しくない」と思う一方…「ロシアに対する強い憎しみ」
小川彩佳キャスター:
祈りのような言葉がありましたが、トラウデンさんは今回ウクライナ軍の兵士の方にお話聞かれてどんな言葉が印象に残りましたか。

トラウデン直美さん:
戦地の記憶や、兄が亡くなったという事実を片時も忘れる瞬間がない、と。今回、来日して、日本のことがとても好きで「日本に来られて嬉しいんだ」と笑顔でお話をたくさんしてくれましたが、その最中も「片時も忘れることはないんだ」と言っていたのがとても印象的でした。
つらい経験をたくさんしてきた中で、「今後一切、1人として同じような経験をして欲しくない」ということは、すごく強く話していました。
小川キャスター:
しかし、戦闘は長引き同じような思いをする人が増え続けている中で、ナザールさんの中ではどんな思いがあるのでしょうか。

トラウデン直美さん:
「誰一人として同じ経験をして欲しくない」と思う一方で、やはり「ロシアに対する強い憎しみ」というのを強い言葉で話していたのが私にとって印象的でした。やはり「戦争は続いてほしくない、終わってほしい」という気持ちはありつつ、自分に起こったこと、自分の国のことになると憎しみという感情が湧いてしまう。
戦争というのは憎しみを再生産してしまい、将来に争いの種を残してしまう現状がある、ということに、とてもつらい気持ちになりました。

データサイエンティスト 宮田裕章さん:
ウクライナの調査の中で、「領土を譲歩してもいい」という人の割合が増えている。一方で、トランプ前大統領は「24時間以内に終結する」と。これは「譲歩」を意味するとゼレンスキー大統領は解釈しています。
こういった変化する状況の中で、心をどう彼らに寄せていけばいいのか、ということを我々はしっかり見ていく必要があるのかな、と思います。
トラウデン直美さん:
ナザールさんも戦地に戻る可能性もある、と今回お話を聞いて身近に感じたので、本当に早く戦争が終わってほしいと思います。
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<プロフィール>
トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信
宮田裕章さん
データサイエンティスト 慶応大学医学部教授
科学を駆使して社会変革に挑む