「130万円の壁」に影響か 物価高で複合的な見直し迫られる

小笠原キャスター:
経営コンサルタントの坂口孝則さんは、「物価も上がっているので、この上げ幅は妥当ではないか」と話しています。

ただし中小企業の経営者に関しては、「人件費増加で、人を使わない設備を整える等、工夫して生き残るしかなくなるのでは」とし、人件費が経営を圧迫する可能性を指摘しました。

さらに、扶養内で働く人については「130万円の壁」に影響が出るとし、「賃金アップで、社会保険を支払う事となり、手取りが減る。そのため、働き控えとなる可能性も。人材不足解消の秘策が逆に人手不足をまねく事も」と指摘します。

ホラン千秋キャスター:
秋元さんは経営者としてアルバイト・パート従業員をかかえる立場なので、他人事ではないですよね。

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
経営者である私からしても、最低賃金を上げた方がいいと思います。今回の約50円の引き上げの可能性はポジティブに捉えています。

一方で、実際に経営を圧迫することはあると思います。特に中小企業ほど最低賃金で働いている人の数が多いので、大企業よりは中小企業の方が影響が大きいのではないかと感じています。

ただ、根本的には、経営が回るように中小企業がしっかり価格転嫁をして「130万円の壁」にぶつからないような整備を行うことが急務だと感じています。

井上貴博キャスター: 
これだけ物価高なので、賃金を上げることは当然だと思いますが、世界的に見ると日本はまだまだ追いついていない。

サラリーマンの感覚では、手取りが増えないですね。「総支給額」を増やしてもらえたとしても、税や社会保障の国民負担が日本は約5割あり、並行して議論を行わないと可処分所得・手取りが増えない現状は変わらないのではないでしょうか。

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
賃金引き上げもかなり進んでいますが、それ以上に物価が上がっていて、体感としてあまり増えていないようにも思います。

複合的に他の部分の見直しも急速に進めていかなければならないと感じます。