富山県の教育委員が就任前に子どもを「商品」に例えて発言したことが物議をかもしています。新田知事は先月の県議会で「発言は不適切なものだとは全く思わない」と答弁。24日の記者会見でも「何ら問題がない」との考えを示し擁護しましたが、教育現場からは憤りの声があがっています。
県高等学校教職員組合 堀内大地書記長「子どもは商品発言については、6月県議会でも議論になったところでありますが、私たちは断じて容認できません」
23日、富山県庁で行われた記者会見で憤りをあらわにしたのは県高等学校教職員組合の堀内書記長です。

堀内書記長が問題視したのは県の教育委員・牧田和樹さんが委員就任前に参加した経済団体主催の海外視察で現役の教員らに対して発言した内容です。

報告書によりますと視察は去年8月29日から9月6日にかけて9日間の日程で行われ、ドイツやオーストリア、デンマークを訪問。

視察団は経済団体の会員や教員など20人。視察の目的として、富山県の現役教員が訪問国の教育や芸術、文化、社会情勢などを視察し意見交換することで教員としての視野を広げることや、経済団体の会員が視察に参加し、教員と問題意識を共有し経済界と学校教育との交流や連携を図ることなどがあげられていました。
牧田さんはこの視察の中で、経済の仕組みを教育にあてはめて次のように語ったとされています。
富山県教育委員 牧田和樹さん「一般的な貨幣経済下において、会社は商品を提供し、顧客が代金を払います。ここで、商品の価値と代金とのバランスがとれていれば商売は成立しますが、それが崩れるとどちらかに大きな不利益が生じます」

富山県教育委員 牧田和樹さん「翻って、この関係を教育界にあてはまると、会社、顧客、商品、代金が何にあたるかといえば、会社は学校、顧客は社会(国家)、商品は子供、代金は税金となります。それは、国家の繁栄は教育がもたらすものであり、社会の役に立つ人材、つまり子供という商品の価値を高め輩出するのが学校だからです。ですから、学校や教師に税金が使われているのであり、決して保護者のためではなく、国家繁栄のために教育があることを肝に銘じて欲しいと思います」


この発言について先月の県議会で共産党の火爪弘子県議が知事に質しました。

共産党 火爪弘子県議「子どもは商品だ。国家の繫栄のために、教育があるという認識について知事はどう思われるのか。ご答弁を頂きたい」

富山県 新田知事「経済人としては企業としては商品というものを磨きあげる。質をあげていくということであります。当然ですが、」「同じように教育においては子どもたちが磨きあげる対象、質をあげていく対象であるということ、それを学校が先生がやるんだということ、そういったレトリック(修辞法)でお話をされたのかいう風に思い、私はこの発言が不適切なものとは全く思いません」

この知事の発言について県高等学校教職員組合の堀内書記長は…。
県高等学校教職員組合 堀内大地書記長「(牧田さんの発言は)憲法教育基本法、あるいは子ども権利条約の個人の尊厳、人権の観点から、とんでもない発言ですし、それを問題なしという知事の答弁についても大変問題であると、そういう発言をしている方々が、そういう姿勢で教育行政を進めるということは断じて許すことができない」


こうした指摘について、24日の会見で新田知事は…。

新田知事「子どもを商品だと言えばそれはそれでそうだという人はなかなかいませんよね。なんて暴言だということです。ただ私は教育委員の方が言われた、これは教育委員に就任される前、それから15人から20人の非常にクローズドな場、そういった中でのそれからお互いに気心が知れている仲というなかで、かつ、全文を読めば、私は何ら違和感を感じません」「何ら問題がないということを私は県議会でもお答えをしました。今も私の意見は変わっていません」

記者「保護者のためでなく国家繁栄のために教育があると、こうした発言っていうのは、知事はどういう風に受け止めていますか?」
新田知事「私はそこも特に違和感を感じていません。どこがおかしいんですか?」
記者「保護者のためでなく国家繁栄のためにと教育があるというのは、特に知事としては問題には感じられないと?」
新田知事「そうですね。はい。もちろん。ちょっと今、詳細な文章までは忘れましたが、もちろん、子供たちを磨き上げていく、そこにおいて商品というレトリックを使われたんだと思いますが、子供たちを磨き磨き上げていく、そのことは、もちろん子どもたち自身のためでもあるわけです」「教育の大きな目標は、子供たちを磨いていくということだと思っています。そしてそれが将来地域のために役に立ったりあるいは、国家のために役に立ったりあるいは、世界の平和のために役に立ったり、色んなところで花が開いていく、それを我々は期待をして、あるいは望んで、教育ということを、大変、大きなコストもかけながらやっているんだということです」
記者「就任前の発言ですが、現時点で県の教育委員をやっていただいていることについても問題ないという認識でよろしいですか?」
新田知事「そういった経験を私は期待をして、お願いしたわけでありますから。はい」
県議会の同意を得て知事が任命する県の教育委員。新田知事は牧田さんが教育委員を続けることについても問題はないとしました。
教育委員の牧田さんはチューリップテレビの取材に対し、「県議会でのことなのでコメントする立場にない」としています。














