EU=ヨーロッパ連合の加盟国と近隣の非加盟国でつくる新たな共同体「ヨーロッパ政治共同体」の首脳会合が開かれ、ロシアによるウクライナ侵攻や不法移民対策などについて協議しました。

第4回目となるヨーロッパ政治共同体の首脳会合が18日、イギリス南部で開かれ、ウクライナのゼレンスキー大統領やNATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長など、40人余りの首脳らが出席しました。

会合では、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援や不法移民対策など、EUと近隣諸国の共通の課題について協議しました。

主催国イギリスのスターマー首相は、会合の冒頭「ロシアの脅威はヨーロッパ全土に及んでいる」と強調。

イギリス スターマー首相
「まずやるべきことはウクライナへの揺るぎない支援を確認し、我々が大切にしている価値観のもと再び団結し、この大陸での侵略にともに立ち向かうと表明することです」

イギリスとして引き続きNATOに強く関与していく立場を示したほか、ヨーロッパとして団結して対抗することの重要性を訴えました。

また、離脱したEUとの関係の修復を目指すスターマー首相は、「ヨーロッパの国々との関係をリセットしたい」とし、EUや近隣諸国との連携を一層深めていく姿勢を鮮明にしました。

一方、「ヨーロッパ政治共同体」の首脳会合で、ゼレンスキー大統領は「我々の兵器の使用制限が少ないほどロシアは和平を求めるようになる」と述べ、改めて各国が供与した兵器でのロシア領内の軍事施設への攻撃について制限の緩和を求めました。

また、会合にはロシア寄りの姿勢で知られるハンガリーのオルバン首相も出席していましたが、ゼレンスキー氏はオルバン氏が今月、プーチン大統領と会談したことを念頭に、「プーチンがあなた達を誘惑し、あなた達のうちの1人が裏切り、我々の団結を弱めようとするかもしれない」などと名指しを避けながらも批判。「EUやNATOは、この人がいなくても問題に対処できる」と述べました。