今年の4月中旬。浦添市内で行方不明になっていた80代男性が、数キロ離れた隣の宜野湾市で保護された。

午後6時ごろ、男性が浦添市の自宅からいなくなっていることに家族が気付き、捜索を開始。その後宜野湾市の国道沿いで、男性が携帯していたある装置が反応し、スマートフォンに通知が届いた。

スマホに通知「おじぃを探知しました」

▽認知症の父を持つ比嘉さん
「ガードレールにしがみついて、疲れ果てたんでしょうね。飲んだビールの缶を持ってもたれかかって寝ていたのを発見しました」

「ホッとしました、家族も私たちも警察と連絡を取りあったりとか、3時間~4時間ずっと探し回っていたので、見つかったときはホッとしました。けがはなかったので」

高齢者の7人に1人が認知症といわれる沖縄では、毎年120人の認知症の人が行方不明になっていて、“道迷い”は命に直結する深刻な課題だ。男性が数時間で見つかったのは、不幸中の幸いだった。

男性の捜索に役立ったのは、認知症患者にタグを携帯させる「ミマモライド」というシステムだ。自動販売機に認知症の人を見守る機能が設置されていて、付近を通過したタグに反応すると、保護者のスマートフォンにLINEアプリで位置情報を送信することができる。