2023年8月に岩手県滝沢市で発生した強盗殺人事件の被告で、ほかにも強盗傷害や監禁など全部で8つの罪に問われている男の裁判員裁判が16日始まり、男は全ての罪の起訴内容を認めました。

強盗殺人など8つの罪に問われているのは本籍・盛岡市前九年で住所不定・無職の佐藤廣明被告(76)です。


起訴状などによりますと佐藤被告は、2023年8月14日の午前11時ごろから翌日午前9時半ごろまでの間に、滝沢市穴口のアパートの一室で佐藤猛さん(当時72)の頭や顔などを複数回殴るなどした上で、タオルのようなもので首を締めて殺害し、通帳と印鑑を奪った強盗殺人の罪に問われています。


また、佐藤被告は事件直後の2023年8月15日、岩手県雫石町内の神社で面識のない当時81歳の男性に暴行して全治2週間のけがをさせ、男性の車を奪ったとする強盗傷害のほか、2023年8月21日、青森県内で40代の女性を脅して車と現金を奪い、女性を車内に閉じ込めた強盗、監禁など8つの罪に問われています。
16日盛岡地裁で行われた初公判で、佐藤被告は全ての罪の起訴内容を認めました。
この裁判では量刑が争点となっていて、冒頭陳述で検察側は強盗殺人について年金を狙った犯行と指摘。その上で「被害者に睡眠薬を飲ませたが利かなかったので首を絞めて殺害し通帳と印鑑を奪った」と殺害の動機や経緯について説明しました。


一方弁護側は、「頼れる親族がいない中、仕事も見つからず、借金から逃れるために犯行に及んだ」と主張しました。

裁判は7月22日に結審し、判決は7月29日に言い渡されます。