来月末に、任期満了を迎える玉城知事。首里城火災に始まり、豚熱や新型コロナウイルス、軽石の漂着など危機管理に追われる中、県政の様々な課題に取り組んできました。

「今、第2滑走路に第一便の航空機が着陸しました。沖縄と世界をつなぐゲートウェイ。新たな時代の幕開けです」

おととし3月に供用を開始した那覇空港第2滑走路。発着時の混雑緩和やアジアのダイナミズムの取り込みに向けて、期待が寄せられていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、国際線は全て運休。今月、2年4か月ぶりに一部再開しましたが2週間の限定運行で現在は再び全面運休しています。

玉城知事(ことし5月31日)
「小中学生調査における困窮世帯の割合は、前回 2018年調査から、3.9ポイント増の28.9%となっており、大変厳しい状況が確認されました。コロナ感染症の長期化による経済雇用情勢の悪化の影響があるものと考えられます」

コロナ禍の長期化は、子どもの貧困にも拍車をかけています。県の調査によると、小中学生の貧困世帯の割合は前回調査より、3.9ポイント悪化。ひとり親世帯に限れば、困窮世帯は7割近くにのぼります。

子どもの貧困対策も重点施策の1つで、2020年度からは生活困窮世帯の高校生のバスやモノレールを無料化したほか、今年度からは中学卒業までの通院・入院費の窓口無料化を実現するなど、子育て支援を進めています。

天皇陛下
「豊かな未来が沖縄に築かれることを心から願っています」
岸田総理
「これからも日米同盟の抑止力を維持しながら 、基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく」

ことし日本に復帰して50年を迎えた沖縄。半世紀を経てなお、在日アメリカ軍専用施設のおよそ7割が、沖縄に集中しています。

桃原記者
「ここに落下したと思われます。そこから部品が散乱したのでしょうか。周りには点々と跡が続いています」

県民の暮らしを脅かす事故やトラブルは後を絶たず、新たな問題も顕在化しました。
普天間基地から泡消火剤が流出し、人体への有害性が指摘されているPFASが川や土壌を汚染。その後も、基地周辺の川や湧き水では、高濃度のPFASが検出されていることから、県や周辺市町村は、アメリカ軍や沖縄防衛局などに対し、何度も立ち入り調査を求めています。

玉城知事
「国地方係争処理委員会の決定に不服があるため、本日、福岡高等裁判所那覇支部に訴えを提起するものであります」

玉城知事が県政の柱に据えた、普天間基地の辺野古移設の阻止。この問題をめぐって県と国は10度目の法廷闘争に入りました。

辺野古沖の軟弱地盤を改良して、移設を進めたい国に対し、県は地盤改良に伴う設計変更を認めず、両者の主張は平行線をたどっています。

揺さぶりをかけるように、沖縄振興予算は目減りしていて、今年度は10年ぶりに3000億円を下回り、2684億円となりました。県は子どもの貧困対策や観光関連産業を強化したい考えで、来年度は3000億円台に増額するよう国に求めています。

沖縄の様々な課題に向き合い、未曽有の危機への対応に追われた4年間。その手腕を県民は、どのように評価するのでしょうか。