「遊びにおいでが言えなくなった…」
元日の能登半島地震で震度6強を観測した石川県能登町。
地震で大きな被害が出た鵜川は、富山湾に面した静かな漁師町です。地区の中心部では木造家屋の倒壊が相次ぎ、通りをふさぐなど甚大な被害が出ました。


濵高さんと林令子さん(80)はご近所さんの書道仲間です。
濵高芳美さん:
「毎日ここを見てると寂しくなるっていうか、毎日みんなでいたのになって」
林令子さん:
「町の中がこんな状態になるとは」
濵高芳美さん:
「思わんかったね、人がいなくなるっていうのは」

取材した日は日曜日で重機は動いていませんでしたが、「公費解体作業中」の紙があちこちに貼られていて、倒壊家屋の解体・撤去作業が始まっています。


濵高さんの自宅は「中規模半壊」でした。
濵高芳美さん:「天井抜けてる」
天井が抜けて雨漏りがするなど、家全体の損傷がひどく、寝泊りできるのは1部屋だけ。自宅と仮設住宅を行き来して生活しています。
濵高芳美さん:
「1月1日に孫が誕生日だったんですね。ここで誕生会をして、2時ごろ帰ったんです」

地震はその後、午後4時10分ごろに起きました。
濵高芳美さん:
「怖い、本当になんか怖いですね。だからみんなで集まれるのはいつだろうって。集まれないかもしれないなとか思いながら。泊りにおいでが簡単に言えない」
林令子さん:
「言えない。また来てねって言いにくい」
濵高芳美さん:
「遊びにおいでが言えなくなってしまった」
