東北の児童文学作家がタッグを組みました。盛岡さんさ踊りなどの「夏祭り」や、盛岡三大麺などの「おいしいもの」といったテーマごとに、東北各県の物語を集めた本が発売されました。

10日発売されたのは、「東北まつり物語」、「東北おいしい物語」そして「東北ふしぎ物語」の3つの本です。東北各地の児童文学作家でつくる「みちのく童話会」のメンバーがテーマごとに書き下ろした作品が収録されています。
盛岡さんさ踊りをモチーフにした「さんさの夏がやってくる」は、町内会のチームで初めて祭りに参加する小学6年生の香里が、新型コロナに翻弄されながらも、みんなで踊る喜びを体験する物語です。

(朗読 ちばるりこさん)
「ダンコンダラスコ ダンカトカ ダンカトカトカト ダンカトカ サクラの花が散り 緑の葉が顔を出すと決まっていつもの音が響いて来る」

著者で盛岡市在住のちばるりこさんです。
ちばさんは岩手児童文学の会の会長も務めています。
作品には太鼓の音や踊りのかけ声が随所に散りばめられています。

(ちばるりこさん)
「さんさの太鼓の音が聞こえてくると『あ~夏がやってくるな』という思いを抱きます。 それでその音を使って書きたいなと思いました」


(ナレーション)
「『ピンチだよ。スポーツクラブでクラスターが出て、出られないかも』香里はマスクの下でくちびるを噛みしめた」

物語では、主人公の香里が様々な困難を乗り越えながら祭り本番を迎えます。
このほか、「東北おいしい物語」では盛岡三大麺を紹介。
「東北ふしぎ物語」には岩手沿岸の架空の街が復興していく姿を描いた話が収録されました。

(ちばるりこさん)
「みなさんが読んで『東北のお祭り見てみたいな』と思われるのが一番うれしいです」

東北の児童文学作家がタッグを組んで出版された3つの本は、東北各県を中心とした一部の書店で10日販売が始まっています。