世界大会の女子「やり投」で、日本人初となる銅メダルを獲得した北口榛花 選手。これは「円盤投げ」や「砲丸投げ」といった投てき種目を通しても、日本人女子初の快挙です。そんな北口選手の強さのヒミツを、番組では追いかけました。
■「やり投」を始めたのは高校生から
日本陸上界の歴史を塗り替えた北口選手ですが、実は高校生になるまで、やり投はおろか陸上競技とは無縁でした。
それまでの運動の経歴としては、3歳で水泳を始め、小学1年生からはバドミントンの選手としても活躍。小学6年生時のバドミントンの全国大会の団体戦では見事優勝を果たしています。

また、中学生の時には、水泳でも全国大会に出場するなど、高い運動能力を発揮していました。
その後、高校生になり、陸上部の顧問の先生から誘われる形で、やり投の道に足を踏み入れたそう。そこでは、基礎から学んで才能を早期に開花させ、競技歴1年ほどで高校3冠などを達成しています。

この成果について、北口選手を誘った顧問の先生は「素材が桁外れに違う。上半身の強さとか使い方とか、バドミントンの経験に水泳がプラスされた感じ。非凡なもの、素晴らしいものを持っている」と話しています。
■「やり投」で強くなるため選んだ進路
「やり投」において世界で戦える選手になるために、2016年に北口選手は、投てき種目の名門・日本大学に進学。トレーニング理論などを学び、練習を重ね、大学一年生時には日本記録2位(当時)を叩き出します。

それに満足することなく、さらなる高みを目指して北口選手は、やり投の強豪国・チェコに単身武者修行へ赴きます。
師にチェコのジュニア代表コーチを務めるデイビット・シェケラック 氏を迎え、やりを使わずに基礎体力を伸ばすトレーニングを徹底して行った結果、世界レベルに匹敵する選手への覚醒を果たしました。

自身の強みである“体をしなやかに使えること”と“腕の振りの速さ”を磨き、66mのビッグスローなどを含め、これまで数々の記録を打ち立ててきた北口選手。世界陸上でメダルを獲得した際は「ここ(銅メダル)がまだ私のゴールじゃなくて、これから金メダルを目標に頑張りたい」とも熱く語っています。これからもますます、北口選手の活躍が楽しみですね。
TBSで毎週土曜日に放送されている『バース・デイ』では、さまざまな“人生に刻まれた 忘れられない大切な一日”に注目し、紹介をしています。