夏の高校野球岩手大会の注目校を3回シリーズで紹介する「白球を追う」。
2回目に紹介するのは、伝統の強打で2021年以来となる夏の甲子園を目指す、盛岡大附属です。
2017年の夏の甲子園。
「わんこそば打線」と呼ばれる強打でベスト16まで進み、全国にその名を轟かせた盛岡大附属。
しかし、春夏通算16度の甲子園出場を誇る強豪も、2021年の夏以来、甲子園から遠ざかっています。
そのため、今年のチームは甲子園は未経験です。
「手抜きなしでしっかり全力で。今できることをしっかり個人個人あると思うので、それひとりひとり全うしてこの練習も良い練習にしていきましょう。よしっ。よっしゃー元気出していこー!よっしゃー!」
大舞台の経験こそないものの、伝統の強打は健在です。
春の岩手県大会では準優勝。東北大会では11年ぶりにベスト4まで勝ち上がりました。
指揮官もチームの成長を感じています。
(関口清治監督)
「まだ試合によって発揮できない場面があるんですけれども、基本的には先輩たちと変わりない遜色ない力を持っていますので、あとは試合での表現力を高めていければなと思います」
夏の大会に向けてさらなるレベルアップを図るため、チームは実戦を意識した打撃練習を積み重ねています。
この日は、春の東北大会で敗れた青森の弘前学院聖愛高校を意識して、バッティングマシンで再現した左ピッチャーのスライダーを打ち込みました。
今年の打線の中心となる1人が右の主砲で3番の山本世波選手です。
身長169センチと小柄ながら体重は92キロ。
パンチ力のあるバッティングが魅力の選手で、高校通算24本のホームランを放っています。
(山本世波選手)
「先輩たちの歴史をぬりかえるのもそうなんですけど、盛岡大附属の野球というのはバッティングだと思うので、そういうところをしっかり取り戻していきたいなと思っています」
そしてもう1人が左の主砲4番の森谷光祐選手です。
指揮官はこの春最も成長した選手と期待を寄せています。
(関口清治監督)
「昨年までは控えの選手だったんですが非常に努力をする子でそのうちに力をつけてきまして集中力のあるバッターだと思います」
去年秋まで代打要員だった森谷選手は、練習に加えて寮に帰ったあと、毎日30分以上の素振りを日課にしてきました。
(森谷光祐選手)
「バットを振りこむであったりトレーニングもしてきて体も大きくなったので、それをひと冬積んだことが春につながったかなと思います」
甘い球を逃さず、1球で仕留めるバッティングを心がける森谷選手がこの夏もチームの勝利に貢献します。
(森谷光祐選手)
「チームが打てていない所で、ここぞの場面で打てるバッターになっていきたいです」
この2人に加え俊足好打の1番・櫻庭千晃選手や、打てるキャッチャー坂田宗次朗選手など、1番から9番まで切れ目のない打線が魅力の盛岡大附属ナイン。
伝統の強打を武器に、2021年以来となる夏の甲子園を目指します。
「白球を追う」最終回のあすは、夏の岩手大会連覇を狙う花巻東です。