「球磨焼酎」が生まれる場所

嘉助さんが、水を引いている場所へ案内してくれました。 

蔵の焼酎は山の伏流水で作られていて、水源のタンクから蔵まで通る水道を使って、水を送っています。

球磨焼酎は人吉・球磨地方の水でもろみを仕込むなどの定義があり、豊かな自然の中で作られてきたのです。

もう一度焼酎作りを

ある日、蔵にフルーティーで芳醇な香りが広がっていました。月に4回ほど行う瓶詰の作業です。

仕込みからすべて手作業で、隣村の水上村から杜氏が毎回手伝いに来てくれます。

渕田嘉助さん「半年くらい出荷はゼロだった、それから回復するのは時間がかかった。まだ半分にもなっていない」

注文が入ると商品を出荷します。車で20分ほどの場所にある人吉市内のスーパーマーケットには「頑張れ!!渕田酒造本店」と書かれた特別なコーナーが設けられていました。

酒の量販店にも定期的に納品していて、愛好家からも根強い人気があります。

田村商店 人吉店 黒木涼太さん「ファンの方々が渕田さんの焼酎を買ってずっと飲まれている。しっかりと、いいものを改めて作って頂ければと思っています」

嘉助さんも焼酎作りの再開を楽しみにしています。

渕田嘉助さん「今まで200年くらい経っていますから、できればあと200年って、そういう思いはあります」

かさ上げ工事が終わり、再び焼酎作りができるようになるまで――。渕田さんは、いまできることを続けていきます。