遺骨収集ボランティア ガマフヤー代表 具志堅隆松さん
「あの頃は、日本の政治の中枢だと思ったけど。政治家ってどれくらい国民のこと考えているのかなって。今は思っている」

普天間基地の辺野古移設に伴う工事を巡って。おととし4月、国は県に対して軟弱地盤の改良のために、“変更承認申請”を提出。土砂を採取する場所として沖縄本島南部からの採取も計画していて、県内では戦没者の遺骨が混じる可能性があると反発が広がっています。
本島南部で戦没者の遺骨を拾い、DNA鑑定によって遺族のもとにかえす活動を続けてきた具志堅さんは計画の撤回を国に訴えてきました。
こうした中で直接、南部土砂の採取計画撤回を求めようと、県外に住む仲間と共に防衛省との意見交換会を開催し、参加者の中には県外に住む沖縄戦の遺族の姿もありました。
東京に住む遺族 小谷野浩さん
「防衛省との交渉があるという事で。少しは変化が、前進があるかなと思って(来た)」

遺骨収集ボランティア ガマフヤー代表 具志堅隆松さん
「ご遺族ってなかなか皆さん、口が重いんですよ。でも出来るだけ、ご遺族の気持ちや声は、引き出したいと思っています」
計画を撤回してもらう足掛かりに。その思いで開いた防衛省との意見交換会でしたが…。
『戦没者遺骨を家族の元へ』連絡会 上田慶司さん
「遺骨が粉々に砕けて土砂に混じっていることについて知っていたか。粉々の遺骨は遺骨収集の専門家でも完全に収集しきれないのを知っているか。ご回答をお願いします」
防衛省担当者
「お答えいたします。1点目の質問につきまして、沖縄県では太平洋戦争末期に県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民合わせて20万人の尊い命が失われました。ご遺骨の問題は大変重要であると考えていることから、こうした事を踏まえて土砂の調達については今後、しっかりと検討したいと思います」
上田さん
「南部の土砂で小さなご遺骨が風化や砲弾を浴びて、小さな遺骨が粉々に砕けているということを知っていたか、知っていなかったかしか聞いていないんですけど」
防衛省担当者
「沖縄本島南部一体では多くの住民の方々が犠牲になったというのが、防衛省としての認識でございます」
具志堅さんが事前に送っていた8つの質問。防衛省の遺骨に対する認識を問うものでしたが、どのような質問に対しても『沖縄戦は多くの住民の命が犠牲になった』『遺骨の問題は重要』『土砂の調達は今後検討』と繰り返すばかりで、“遺骨に向き合った回答”はしていません。