青森県大鰐町の中心部で住宅など18棟を焼いた火災で、火元の製材所の社長が青森テレビの取材に証言しました。「木くずをドラム缶に入れて燃やしていて、一部の木材には灯油を染み込ませた」と話しています。

リンクから現場の写真などをご覧いただけます。

19日正午過ぎに大鰐町の中心街で発生した製材所の火災。約7時間後に消し止められましたが、周辺の住宅や小屋などに燃え移り、18棟を焼きました。

警察と消防は、20日朝から火元となった製材所を中心に実況見分を行なっています。

このなかで、特に多くの捜査員が集まり確認していたのが、敷地内に置かれた「ドラム缶」でした。

このドラム缶について、火元となった製材所の社長は、青森テレビの取材に対し、「木くずをドラム缶の半分から3分の2程度まで入れて、きのう昼前から従業員と2人で燃やしていた」と話しています。

火をつけやすくするために、「一部の木材には灯油を染み込ませていた」と言い、火が出た直後に消火を試みましたが、火の回りが早く、燃え広がったとしています。

製材所では、ドラム缶に木くずを入れて燃やす行為を10年近く前から同様の方法で行なっていて、付近の住民も目撃していました。

近くに住む人は
「(普段から)木くずとかストーブで焚いている煙があがっていた。きのうもその状態だと思っていた」

産業廃棄物を事業者が燃やすことは原則として禁止されていて、そのことを知りながら製材所の社長も燃やしていたということです。

製材所から燃え広がった火は、13棟全焼、1棟半焼、4棟は一部が焼け、大きな被害をもたらしました。

中澤美寿妃記者
「現場から線路を挟んだこちらの住宅では、火事による熱風で、このように植物の葉が焦げました。さらに奥に見える窓ガラスを見ると、上の部分が割れています」

消防は現在、18棟が焼けたとしていますが、線路を挟んだ建物も窓ガラスが割れるなどしていて、今後調査が進めば、さらに被害の数は増える可能性があるということです。

被害に遭った人は
「足腰がぶるぶる震えながら119番した。(火が)こちらにきたらどうしようというぐらいの火の気が上がって、生きた心地がしなかった」

警察と消防は、製材所の社長から火が出た時の状況を聞き取りしていて、火事との関連を調べる方針です。