東日本大震災の津波に流されながらも、九死に一生を得た夫婦による着衣水泳の出前授業が宮城県石巻市の雄勝湾で行なわれ、地元の小学生が、海に転落した際の対応を学びました。

出前授業を行ったのは「一般社団法人水難学会」理事で、大崎市の安倍淳さんと妻の志摩子さんです。

20日は、雄勝湾で雄勝小の全校児童19人に、集団で海に転落した際、花のような形をつくって救助を待つ方法などを伝えました。

安倍淳さん:
「手をつないで、みんなで真ん中に足を寄せる」

安倍さん夫妻は13年前、東松島市野蒜で震災に遭い自宅と会社ごと津波に流され、川を7キロ遡上、消防団に救助されました。授業では、海の中で一列になって進む方法なども指導しました。

児童:
「久しぶりに海に本格的に入って訓練をして、自分でもうまく出来たなと思った」安倍淳さん:
「水災害はいつ自身の身に降りかかるか分からないので、ふだんからの備え、小さい頃の体験がその人の命を救う時がある」

安倍さん夫妻は20年ほど前から、学校などで「着衣水泳」の指導を続けていて、雄勝小学校では、目の前の海を利用しています。

衣類を着たまま海に入った児童たちは安倍さんの指導を受けいざという時の対応を学んでいました。