■「頭が真っ白」「汗が止まらない」ずっとこのままなのかなという不安

野球が大好きだという埼玉県の14歳の男子中学生は、ワクチンは2回接種済みでしたが、2月上旬にコロナに感染しました。症状は軽症でした。しかし、その後、喘息のような咳、微熱、頭痛、腹痛と倦怠感など複数の症状に襲われます。そして現在まで、半年ほど“コロナ後遺症”に悩まされているといいます。

ーー複数の症状がでているようですが、これまで一番大変だったことは?

男子中学生:
「咳ですね。咳が本当にひどくて寝れない、夜中にひどくなって寝れなかったり。喉がイガイガして喋るときもガラガラになっちゃったり」

ーー生活にはどんな支障がありますか?

男子中学生:
自転車をこぐときに頭が真っ白になっちゃって、何も考えられなくて、こげなかったことが度々ありました。なんて言えばいいんだろう…目は見えているけど意識が朦朧としていて、ウトウトしちゃうみたいな感じで。

学校では、体育の後に汗が止まらなくなって、歩けなくなり、友達に肩を貸してもらって保健室に連れていってもらいました。自分では全然暑くないと思ってても(汗が)顔からポタポタ垂れてきて、地面が水浸しになっていました。本当に怖かったです。ずっとこのままなのかなって。

文字を読んで理解しようとしたり、必死に覚えようとすると一気に疲れます。勉強とか頭を使うことをやった後に疲れてすぐに寝ちゃったりとか。立てなくてソファにぐだーってなったり」

■「さぼり病とか言ってごめんね・・・」身体的だけでなく、精神的な辛さも

野球が大好きだという埼玉県の14歳の男子中学生


ーー後遺症について周りの反応はどうだった?

男子中学生:
「最初は周囲に話していたんですけど、全然理解してもらえなくて、話さなくなっちゃいました。聞き返されたりとか、『何で何で』みたいな感じだったのでつらかったです。コロナにかかってる人がいっぱいいる中で『何で俺だけ…』って、結構、精神的にきつかったです」

母親:
「(家族の間でも)最初さぼり病とか言ってたもんね、ごめんね」

男子中学生:
「謝った方がいいと思う(笑い)」

ーー学校の反応はいかがでしたか?

母親:
「学校側も、コロナ後遺症の扱いがわからなかったんだと思うんですけど、あまりにもお休みが続いてしまったので、『気の持ちようだよ』って言われたんです」

ーー「気の持ちよう」と言われたときどう思った?

男子中学生:
「やっぱりまだ理解されないんだなっていうのが一番でしたね」

ーー高校受験の年ですよね?

母親:
「後遺症になったから出席日数が足りなくて、休学せざるを得ないとか、辞めざるを得ないという方もいたので、普通の高校を受験できるのかなと心配です。一方で、高校の学校説明会で『コロナ後遺症なんですけど受け入れてくれますか』とも聞きにくいです。

まだ14歳です。これからどうゆうサポートがあるのか、何をサポートしなきゃいけないのかが全く見えないので、それが一番親としては不安です」

取材をすると、子どもがコロナ後遺症で学校に行けなくなったというケースが多くありました。その際、「出席停止」か、「欠席」かは、学校によって対応が異なるようです。体の不調だけでなく、精神的にも不安が募るはずですが、インタビューに答えてくれた男子中学生は未来に前向きです。

ーー将来についてどう感じていますか?

男子中学生:
「いつか治るでしょって思ってます。治らないって思ったらだめかなと思ってきたので、もうポジティブにいこうと思います」

ーー治ったら何をしたい?

男子中学生:
「治ったらやっぱり野球をやりたいですね。野球を復活したいのと、自分の体を気にせず動きたいですね」

緊張した様子でインタビューに答えてくれた男子中学生。少しでも多くの人に“子どものコロナ後遺症”について知ってもらいたいと、言葉にしづらい自分の症状や思いを何とか表現しようと、懸命に話してくれました。

(7月28日放送・配信「SHARE」より)