感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。感染者が増加するのに伴って懸念されているのが、子どものコロナ後遺症です。「子どもは軽症」「コロナは風邪のようなもの」などと、かつてほどの危機感をお持ちでない方も多いかもしれません。しかし、当事者に話を聞くと、多くの子どもたちがコロナ後遺症に苦しみ、将来への不安を抱えていました。
■治りが悪いな…診てくれる病院少なく、なかなか診断されなかった後遺症
北海道に住む12歳・小学校6年生の女の子。友達や学校が大好きだったといいますが、3月にコロナに感染し、複数の不調が併発する“後遺症”と闘っています。倦怠感が長引き、学校に登校できるようになったのは7月に入ってからのことだったといいます。
ーー後遺症と思われる症状が出たのはいつ?
母親:
「10日間で療養期間は終わりと保健所から連絡をいただいていたんですけど、その時点でも倦怠感と、頭痛、あと時々腹痛がずっと続いてたんです。
だるかったら横になっていれば良いって思うんですけど、寝ていられないくらいの倦怠感みたいで、夜中に起きてきて、『お母さん体だるい』っていうのが結構ありました」
ーーどんなふうにだるかった?
女子小学生:
「なんか…大きい岩が自分の体の上に乗っている感じ」
当初はコロナの治りが悪いなとしか思っていなかったといいます。しかし、不調は1か月ほど続きました。一体何が起きているのか、不安の中過ごしました。なかなか“コロナ後遺症”と診断されず、適切な治療を受けられなかったのには理由がありました。
ーー後遺症の診断に時間がかかったそうですね。
母親:
「(住んでいる)自治体では後遺症を診てくれる先生がいないんです。隣の市の病院だったらいたんですけど、その市在住の人じゃないと受け付けられませんと言われてしまって。困って探したら、ツイッターでヒラハタクリニックの平畑先生を見つけて…オンライン診療で『後遺症だね』と」

ーー娘さんを見ていてどんなことを思った?
母親:
「風邪でもインフルエンザでもないなとは思いましたね。全然違うなって。子どもだからほかのウイルスの感染症にかかって来てましたけど全く違うなと。倦怠感の動けない度合いが、本当に動けなくてトイレに行くだけって感じでした。それなのに、私には何もできない、見てることしかできなくて…代わってあげることもできないし。
何も知らない人が見たら、『なんて怠けてるんだろう』って思うだろうし、私を見れば、『なんて甘やかしてる親なんだろう』って思うかもしれません。でも、そうじゃない現実がここにあるんです」
ーー子どものコロナ後遺症を経験して、いまどんなことを感じる?
母親:
「基礎疾患が全くなくても後遺症になっているので、世の中の偏見が無くなったり、誰にでも起こりうることだと周知されてほしいです。
子どもがぐたっとしてたら、怠けてるんじゃなくって、『どんな感じなの?』というのを聞いてもらって、小さい子だったら説明するのも大変だとは思うんですけど、子どもの言葉に耳を傾けてもらって、症状をよくみてもらいたいなと思います。
あと、後遺症を診てくれる先生や病院が増えてくれるといいなと本当に思います」