学校の給食費について国が行った実態調査で、無償化を実施している自治体が2017年の調査と比べ、7倍に増加したことがわかりました。無償化に踏み出せない自治体との“自治体間格差”が課題となっています。
東京・渋谷区立の小学校。この日の給食は、たっぷりのおあげがはいった「きつねご飯」に、北海道の郷土料理「石狩汁」。元気いっぱいにおかわりする子も。
「(Q.給食どうですか?)おいしいです。毎日1回はおかわりしています」
東京都は今年、給食費の支援を行う自治体が負担する金額の半分を補助する方針を打ち出し、渋谷区を含む23区すべてが今年度中の「給食費無償化」に乗り出したほか、多摩地域でも無償化の動きが広がっています。
今回行われた文部科学省の調査によりますと、公立の小中学校で全員を対象に給食費を無償化している自治体は547に上り、前回調査からおよそ7倍に増加していることがわかりました。
一方で、無償化は難しいという自治体もあります。
国立市の給食ステーション 久保直子所長補佐
「こちらが煮炊き調理室になります。(国立市立の)小中学校の給食を約5000食作っています。給食費、食材費は決められているので、いただいている給食費の中でやりくりはしている」
東京・国立市内唯一の給食センター。ここで作られた給食が毎朝、市内11の公立小中学校に届けられています。
国立市では物価高の影響で高騰した材料費4000万円ほどを公費で負担しているといいますが、完全無償化となると、必要な財源はおよそ2億8000万円。都からの補助があっても難しいといいます。
国立市の給食ステーション 土方勇所長
「(隣の)立川市も(無償化を)やっていますし、国分寺市も9月からやりますし、府中市もそう。国立に住んでいることで給食費を負担していただいていることに関して、非常に肩身は狭いなと思いますし、何とかしたいなとは思ってはいる」
国立市では小学校低学年の場合、給食費として月々4000円を保護者が負担することになっていますが…
来年子どもが小学校に通う保護者
「兄弟いたりすると、積み重なって家計の負担になってくるので、どうして周りはやっているのに国立市だけ無償化じゃないんだろうと」
「なるべく負担は軽くしてもらった方が安心して預けられるし、ありがたい」
こうした声に、国立市は。
国立市の給食ステーション 土方勇所長
「国立市の場合は財政的に非常に厳しい状況の中で、社会保障の関係、福祉の関係にもお金を使っていかないといけない。子どもたちは居住しているところで格差が生まれるというのは非常におかしな話。国の方で、全国一律でやっていただきたい」
千葉工業大学・福嶋尚子准教授
「子供にとってみたら、成長に不可欠な食の権利の格差なので。私は国が全国一律に無償にする。枠組みを作る。それを何も国が10割とは言わずとも、国と都道府県と基礎自治体で少しずつ負担を分け合うとか、何らかの方針を示して、そこに格差は設けませんというふうに枠組みを作れるのが国だけなので、やはりそこに国の役割、責任っていうところが生じているだろうなというふうに思っています」
文科省の調査では、公立の小中学校で完全無償化を行う場合、およそ4870億円がかかると試算していて、今後は、調査結果を分析し、給食費の無償化への課題などを整理していくとしています。
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