「あの歓喜をもう一度」そして地域に愛され、必要とされるクラブに
志穂美さんは、県内外問わずシーズン全試合足を運んで応援してきた。12年間関わってきたなかで、最も印象に残っている試合は、2019年JFL昇格を決めた一戦。
アウェーで雨の降るなか、選手たちが昇格をかけた大舞台で最高のプレーを見せ、高知のサッカー界の歴史を変える貴重な勝利をあげた。雨はやがて、選手、サポーターたちの「歓喜の涙」に変わった。今思い出しても感動で心が震えると志穂美さんは話す。

■山本志穂美さん
「JFLに昇格し、いまチームに勢いがあるのも、過去に頑張ってくれた選手たちの土台があるから。私たちはそれを忘れてはいけないんです。そして、もう一度今の選手たちと共に、あの歓喜の涙を、昇格の喜びを味わってみたいです」
志穂美さんのその思いが、今のチームの勢いにも繋がっているかのように、高知ユナイテッドSCは、首位を独走中。ホームゲームのスタジアムには、これまで以上に多くの人が訪れ、「高知にJリーグを」と熱い声援を送っている。社長として今思うことは?

■山本志穂美さん
「妥協せず熱い思いを貫いてきたことで、行政や企業など協力の輪はどんどん広がっています。高知にJリーグが誕生すれば、地域は活性化され、経済効果も生まれます。そして、何よりスタジアムは、元気と勇気、感動を与えてくれる場所です。ユナイテッド代表として、これから地域に愛され、必要とされるクラブに成長させていきたいと思います」